2010年8月30日月曜日

平成22年6月議会の一般質問(上出純宏議員)


○ 3番(上出純宏)3番、新政会の上出純宏です。大きな声で言えと言われました。初めての一般質問をさせていただきます。


高速料金の割引が始まりましたのは、平成21年3月28日のことでした。この制度は、都市部の深刻な渋滞の解消、それから、地域活性化の支援、物流の効率化などの課題に対して、既存の高速道路ネットワークを極力有効利用するため、料金引き下げに伴う効果と影響との把握を目的として、社会実験を開始しました。これは、ただいま実験中ではございますが、1年を経過した現在、そろそろその成果について分析できるところにきていると思います。

私の場合、3月28日の朝、軽井沢におりまして、まさにその実験が始まった日に三国まで高速道路を乗り継いで、早速割引制度の恩恵に預かりました。1万3,000円だったものを1,000円で。帰ってきて、これは非常に得をした気分ということになりまして、この後いろんなところへ、この制度を利用して出かけていきました。ということは、私はよその土地にたくさんお金を落としてきたわけですけれども、私の住むこの坂井市にも観光地がありますので、我がふるさともそんな恩恵に預かって、遠方から旅行客が来てくれないものかと、お金を落としてくれないかなと期待しているわけです。

そういうことで、この制度に大変興味を持って、この1年ゴールデンウィーク、シルバーウィーク、夏休み、年末年始などの日本全国の観光状況を注目して見てみますと、四国の讃岐やら、秋田の乳頭温泉など、交通アクセスの決してよくないところへ、遠方からでも家族やグループの車が押し寄せていると報じられました。今は、インターネットで瞬時にデータを得られる時代ですので、こんなところへまさか人は行かないだろうというところへも、車に乗って出かけているようです。

我が坂井市は、風光明媚な自然景観や歴史と伝統に育まれた文化遺産も多く、私は確信を持って観光立市をしなければいけない坂井市だと思っています。

観光にかかわる知恵者、経験者が集結しまして、平成21年3月に坂井市の 観光ビジョン戦略基本計画をまとめられておりますが、坂井市が観光に力を注がなければならないというのは、多くの坂井市民のコンセンサスを得ているものと考えられます。

昨年の議会で、西岡議員の観光に関する質問の中で、市長は高速1,000円時代制度で、入り込み数が前年度を大幅に上回ることが予想されると回答されています。

そこで、伺います。

この高速料金の割引制度に対して、坂井市観光ビジョン戦略基本計画を踏まえて、坂井市の観光行政はどのように対応したのでしょうか。また、この制度は坂井市の観光にどのようなプラス面、マイナス面があったと分析されますか。

また、この制度は一応平成23年3月末までとされていますが、私は一度この恩恵に預かったものからすると、国民の多くはこの制度の継続を指示するものと考えていますので、今後、坂井市の観光行政はどのような手をこれから打っていくおつもりなのか、この3点を伺います。

次に、坂井市の文化行政の取り組みについて伺いたいと思います。

福井県では、平成19年度8月に有識者による「教育文化ふくい創造会議」が発足し、39項目の重点施策を目標に掲げて議論を重ね、先日これをまとめた提言書が渡されました。

県では、これを受けて、本年度より知事部局と県教育庁が連携して、文化資源の活性策を検討する「県文化創造推進会議」が発足しました。広い意味で文化をとらえ、観光、まちづくり、ブランド化などの新しい企画を生み出す場として、部局横断で検討する作業に入りました。

我が坂井市においては、平成19年度から文化課が設けられまして、坂井市の誇るべき文化資源を生かすべく、文化行政の展開を期したことと私は認識しておりますが、福井県の動向を視野に入れながらも、全国いや世界に誇れる固有の文化資源を有する坂井市の、それに恥じることのない文化行政の積極的な取り組みを期待するところです。

そこで、お聞きしたいのは、合併後の4年を振り返りまして、これまでの文化行政をどのように自己評価されていますか、また今後の文化行政の取り組みの方向についてお聞かせください。

以上、一般質問いたします。お願いします。


○ 議長(山田 栄)坂本市長。


○ 市長(坂本憲男)上出議員の御質問にお答えをいたします。私の方からは、高速料金1,000円システムに対する観光行政の取り組みについての御質問にお答えをし、文化行政の取り組みについての御質問については、後ほど教育長からお答えをいたします。

平成21年の坂井市の観光客の入り込み数は、全体で約545万人と、前年比約30万人の増、105.8%となりました。この観光客数の伸びの要因として、高速道路割引制度や9月のシルバーウィークなどが挙げられると思っております。

まず、高速道路割引制度が始まり、観光行政としてこれまでどのような対処をしたかとの御質問でございますが、坂井市は、坂井市観光連盟を通じて、観光客により多くの観光情報を提供するため、出向宣伝・各種の媒体への広告掲載を実施をいたしております。また、個人旅行者は目的地近くでの観光情報を収集することが多いため、高速道路サービスエリアでの観光宣伝や、坂井市及びその他周辺市町にパンフレットスタンドを設置し、観光情報の提供を実施をいたしております。

次に、高速道路割引制度の影響が坂井市の観光産業等にどのようなプラス面とマイナス面をもたらしたかとの御質問でございますが、高速道路割引制度は、坂井市の観光産業にも大きくプラスに作用しております。

例えば、東尋坊や丸岡城の観光客の入り込み数が増加していることは、この制度がその一因になっているものと考えております。

一方、課題としては、特定の観光施設への来客が土日に集中することにより、周辺道路が渋滞すること、施設観光客入り込み数がふえているにもかかわらず、宿泊客数の増加には余りつながっていないことが挙げられます。従来なら宿泊を伴う旅行が、日帰り旅行という期間の短い旅行になっているなどが影響しているものと考えております。

また、この制度の利用者は、1回の利用でより遠くへ出かける傾向があるとも聞いております。坂井市の場合、丸岡インターチェンジや金津インターチェンジでおりずに、より遠くの金沢・能登・富山へ相当数の観光客が流れているとも考えられますので、中京・関西方面からの北陸観光の玄関口として、福井県北部で高速道路からおりてもらえるような取り組みや魅力づくりを、周辺市町と連携して行っていかなければならないと考えております。

次に、本年度の具体的な取り組みについてをお答えいたします。

まず、本年度は既にゴールデンウィーク・夏休み向けの広告を県外に向けて発信をいたしております。観光客を誘客することができ、坂井市を魅力的にPRできる期間に特化して情報発信を行っています。

特に、夏場は芝政ワールド・越前松島水族館など、集客力がより強い観光施設と連携しながら広告の紙面づくりを行っておりまして、魅力ある観光情報発信に努めているところであります。

宿泊への対応としては、三国温泉や市内の旅館等を魅力的な宿泊施設集積地として位置づけられるよう、宿泊施設を中心としたもてなしサービスの向上や、 情報発信技量向上研修会の開催などを予定しております。6月24日に開催する予定となっております。

また、東尋坊では7月から9月の間「食べ歩きクーポン」の販売を行い、リピーターを呼び込み、滞留時間の増加を図りたいと思っております。あわせて、坂井市観光連盟は、県外向けの広告を出すとともに、エージェント向けの出向宣伝も実施をいたしております。

これに加え、坂井市観光連盟のホームページや東尋坊に整備する観光交流センター、さらには竹田地区に整備する水車小屋と物販所に設置する観光情報発信基地などを利用して、観光情報発信の充実とネットワーク化に努めるとともに、福井坂井奥越広域観光圏など周辺市町・団体とも連携し、観光情報を発信していきたいと考えておりますので御理解をいただきたいと思います。


○ 議長(山田 栄)川元教育長。


○ 教育長(川元利夫)上出議員の御質問にお答えをいたします。

まず、合併後の4年間を総括して、ここまでの文化行政の自己評価についてお答えをいたします。

坂井市の文化行政につきましては、議員もおっしゃられたとおり、平成20年の3月に策定された坂井市総合計画に基づきまして、「文化財の保存活用」「文化活動の振興」「文化活動の支援」を基本的な施策の柱として各種事業を進めております。

平成18年3月に、三国、丸岡、春江、坂井の四町が合併をして坂井市となりまして、それぞれの町の文化財や文化施設、文化活動などの文化資源が坂井市民として共有できることになりました。

これらの資源は、地域の歴史ある伝統や文化であり、坂井市民として、あるいは坂井市として保存に努めるとともに、後世に受け継いでいかなければなりません。また、市民が担い手となって取り組んでいる多様な文化活動や、地域の魅力を生かした芸術活動は、より多くの市民の交流を通して、大きく育てていかなければなりません。

合併後の4年間は、坂井市共有の文化の取り組みを進めるために、文化財の調査発掘、文化協会の機能強化と各種文化団体に対する活動の支援、施設環境の充実に努めてまいりました。

みくに文化未来館や旧森田銀行本店、ハートピア春江などの文化施設につきましては、平成18年9月から指定管理制度を導入し、現在は財団法人坂井市文化振興事業団が指定管理者として施設の管理運営を行っており、サービスの向上と管理運営の効率化に取り組んでいるところであります。

次に、今後の文化行政への取り組む方向性についてお答えをいたします。

坂井市には、東尋坊や滝谷寺、丸岡城、坪川家住宅など、全国に誇れる文化 財が数多く存在しております。これら貴重な文化財を市民のすべての貴重な財産として、学校教育や生涯学習の教材、資源として活用し、郷土の歴史に関する理解を深めるとともに、後世に引き継いでいきたいと考えております。

文化活動の支援では、坂井市文化協会などの文化振興に努められておられる市民と協働しながら、発表の場を提供することにより、今後も側面より支援をしていきたいと考えています。

また、施設の有効活用といたしまして、丸岡支所の4階を文化ホールとして改修して、市民が集い、融合し、新たな文化の発信の拠点となるようなホールを設置し、発表の場を提供していきたいと考えております。

文化活動の振興では、財団法人丸岡文化振興事業団が事業展開している一筆啓上賞や「日本一短い手紙」と愛媛県西予市が事業展開している「かまぼこ板の絵の物語」とのコラボによって生まれた「ふみとかまぼこ板の絵の物語」を全国に発信し、知名度も高く、坂井市としての魅力を高めていきたいと考えています。

文化施設では、みくに文化未来館やハートピア春江、みくに龍翔館の施設は、開館以来15年以上が経過しており、経年劣化による改修や施設更新、あるいは設備更新が必要な状況となっております。今後は、施設を利用する方に安全で快適な施設を提供するために、中長期的な計画で改修に取り組んでまいりたいと考えております。

また、みくに龍翔館を坂井市の総合博物館として位置づけをして、坂井市の文化財の遺物を展示し、広く市民に公開して活用していきたいと考えています。

文化財保護では、坂井市総合計画に基づき、北陸最大級の規模であります前方後円墳を有する国史跡指定の六呂瀬山古墳群を史跡公園として活用できるよう整備をするために、周辺区域を平成21年度から平成25年度までの5ケ年で発掘調査を開始しております。

また、合併前から収蔵保管をしている発掘調査の成果品を統一した資料台帳として作成をし、一元管理できる体制を今整えております。今年度に、遺物等を展示公開できるよう整備をしていきたいと考えています。

教育委員会では、「教育・文化ふくい創造会議 第三次提言」との整合性を図りながら、今後とも、より多くの市民が文化に親しむことができるよう施策を進めるとともに、坂井市が有する豊富な文化資源を観光課とも連携をしながら、観光資源として活用する方策を検討していきたいと考えております。

以上であります。


○ 議長(山田 栄)上出議員。


○ 3番(上出純宏)まず、観光のことでお伺いしますけども、観光ビジョンの戦略基本計画の26ページには、時流に乗るというページがあります。私は、その時流に乗るという、ここに掲げてある戦略基本計画という形の中では、この高速の1,000円時代、1,000円ということの実験ですけども、ここのところをうまく活用するためにどういう知恵を出せばいいのかなということが、知恵を尽くす方が効率がいいのかなと思っております。

今ほど、市長の方から回答いただきました方法は、いずれもアナログ的に、型にはまった広報とかいうようなことではないかなと僕は思うんです。だから、例えば、宇奈月温泉だったら、電動アシスト自転車のレンタル事業を始めたとか、1人乗りの電気自動車なんかを持ってきたとか、今、観光客が何を望んでいるんだろうなという、坂井市にはたっぷりとした要素がありますので、そういうものをどういう形で生かせばいいのか、いろんな形で知恵をもうちょっと違う形で発想して、観光行政にあたっていただけたらいいかなと思うんですけれども、いかがでしょうか。


○ 議長(山田 栄)坂本市長。


○ 市長(坂本憲男)それは当たり前のことでありまして。とりあえず、坂井市のそういう広報、今の東尋坊とか丸岡城ですることであって、中身については、観光連盟というのも昨年できましたし、そういった中で農業を含めた、ただ見るもんだけじゃなしに、体験とか、農業も含めて坂井市のいいところ、観光も含めて、それを専門的に、実際商売にも携わっている観光協会とか農業者の問題、そういったのが連携してするのが一番でありまして、行政は行政としての役割というのはきちんとあるわけでございまして、それは上出議員も三国の観光にも携わってきましたので、今後こういったいい方法があれば、そういった宣伝、PR、全国に発信していくことが望ましいんじゃないかなというふうに思っています。



○ 議長(山田 栄)上出議員。


○ 3番(上出純宏)この坂井市の観光ビジョン、これは戦略基本計画でありまして、これはずっと拝見して、その戦略というものを立てる場合だったら、だれが何を担当するというところまでが、それがあれば戦略ということになると思います。これは基本計画ですので、今後もう少し具体的に戦略を進めるためには、そういう具体的な、だれが何を担当するという部分について、うまく、いろんな観光の小機関と連携なり知恵を出してもらってやっていくのがよろしいかなと思います。それには、例えば一例を挙げると、法人化の問題とかが出てくるかと思いますけども、よろしく御検討お願いしたいと思います。

それから、次に文化行政のことについてですが、市民憲章でも、故郷の歴史と文化を大切にしましょうとうたっています。しかし、どうも僕にはかけ声は聞こえるんですけども、具体的にどのような取り組みをしているというのが市民にアピールを十分にされていないのでないかなというようなことを感じてお ります。

一例を挙げれば、昨年、六呂瀬山の調査が始まっていると思うんですけど、その調査の意義やら、調査の成果が少しも市民に伝わっていないと思います。その調査は本格的なものではないにしろ、発掘成果が特別なものでなかったにしろ、調査の規模の大小ではなくて、今ほど教育長おっしゃいましたように、六呂瀬山古墳という北陸の古代史における重要な遺跡に関して、市民に理解してもらえるせっかくの機会を生かしていないんじゃないかなと思っています。

例えば、小中学生に、その発掘の現場を学習の場として活用されたのかどうか、それをちょっと伺います。


○ 議長(山田 栄)川元教育長。


○ 教育長(川元利夫)六呂瀬山古墳群のこの試掘調査というんか、発掘調査につきましては、5年間かけてやっている今2年目でありますけれども、その成果については、その成果が上がってないという部分で、まだ公開はされていませんが、今後きちんとその中身についても公開をしていきたいなと思っています。

それから、せっかくの折ですので、子どもたちにも見ていただきたいということで、8月から9月にかけて行いますこの調査についても、学校のカリキュラムに合えば、そういう形でやらせていただくんですが、鳴鹿小学校が一番近いということもあって、鳴鹿にも話をしながら進めていきたいなと、そういう場をしっかりと、子どもたちの目で確かめてみるというのは非常に大事だと思いますので、そういうことをやっていきたいと考えています。



○ 議長(山田 栄)上出議員。


○ 3番(上出純宏)今ほど、私の質問も大きい質問をさせていただきましたので、概念的な、いわゆる総合計画にのっとったお話ということでございますから、こう言っちゃなんですけども、象徴的な部分、抽象的なふうにやっぱり聞こえてしまいますんで、市民にこういうことをやっているよとアピールをもっともっと表へ遠慮せずに出すことによって、文化行政頑張っているんだなということが伝わると思います。今の現状では全然不満です、その点につきましては。

そういうことで、一般質問を終わらせていただきます。どうもありがとうございました。



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