2011年10月4日火曜日

平成23年6月議会一般質問(古屋信二議員)

2番、新政会の古屋でございます。



通告どおり、一般質問をさせていただきます。私は、地球温暖化防止についていくつか質問したいと思っております。


今さら地球温暖化の背景を述べるのは省いて、坂井市が美しい自然と共生するまちづくりを目指すため、平成20年3月に坂井市地球温暖化防止実行計画、坂井市役所オフィスプランが策定されました。その内容は、温室効果ガスの排出の状況、削減目標、目標に向けた取り組み、計画の推進体制などであります。その立派な計画は、本市みずからが率先して取り組まなければならない認識と責務と感じております。

そこで第1点目ですが、この計画目標は電気使用量を平成18年度比で3%、自動車空調用燃料で3%、給湯用ガスで2%削減などをすることで、温室効果ガスを16トン、削減率で2.5%削減目標を設定いたしました。そこで、毎年度定期的に進捗状況を把握し点検しているとあるが、どのようなものか。このことは、昨年3月議会において前田議員の質問の理事者側の答弁の中でも、月1回なりの会議を開き検証していると答弁しております。

また、温室ガス排出量の当計画の進捗概要をホームページなどに公表するとあるが、公表したことがあるかお尋ねいたします。

次に第2点目ですが、エコオフィスプランの1年後に、坂井市環境基本計画が策定されました。その中の重点施策が、低公害車の普及や緑のカーテンの導入促進があり、どれも確実に実行していると思います。

もう一つの重点施策として、自動車1,500キロメートル削減マイレージ運動の推進があります。福井県は自家用自動車の1世帯あたりの保有台数が全国第1位であり、このことから、坂井市も自動車の保有台数が多いことにより、自動車社会の加速している一方、二酸化炭素も多く排出しております。ですから、重要施策であるこの運動がどのように普及啓発しているかをお尋ねいたします。

次に第3点目ですが、さきのエコオフィスプランの計画期間は、平成20年度から22年度までの3年間だったと思います。その間、目標達成状況等に合わせた今後の計画策定は行っているのかをお尋ねいたします。

次に4点目ですが、地球温暖化対策に有効な防犯灯のLED化についてお尋ねいたします。

本市が管理する道路灯・防犯灯は2,417ケ所設置してあります。これまでにLED化に更新したのは76ケ所と聞いております。全体的で2.8%で、大変少ない数字でございます。更新にはLEDの価格が高く、初期投資には多額の費用がかかります。しかし、電気代が安く、球切れの心配もなく、経済性にすぐれているのは御承知だろうと思います。現に、長野県飯田市では5ケ年で6,000戸を初め、広島県福山市、群馬県藤岡市などLED化整備事業は強力に全国各地で進められております。本市においても取り組んでいると思いますが、進捗計画があればお聞かせ願いたいと思います。

それとあわせて、国庫補助事業である福井県グリーンニューディール基金事業の活用状況もお知らせください。

最後に5点目ですが、各地域単位、すなわち町内会等がLED防犯灯を導入する際、本市は補助の拡充により防犯灯のLED化を促進し、温室ガスの削減に努めたらどうでしょうか。

現在本市は、防犯灯設置事業補助金について限度額はありますが、設置費用の2分の1以内で設けています。防犯の目的ではありますが、環境保護にも貢献する意味でも拡充は必要で、LED化に固執した補助にすべきではないでしょうか、理事者側の見解をお尋ねいたしまして、私の質問とします。なお、再質問は余りしない考えなので、丁寧な御答弁をお願いいたします。


○ 議長(広瀬潤一)坂本市長。


○ 市長(坂本憲男)

古屋議員の御質問にお答えをいたします。

坂井市地球温暖化防止実行プラン計画についてでございますが、まず1点目の地球温暖化防止実行計画の進捗状況及び点検内容、並びに3点目の平成23年度からの本計画の進行状況についてお答えをさせていただきます。

坂井市におきましては、平成11年4月に施行された地球温暖化対策の推進に関する法律を受け、みずからの事務事業に伴う環境負荷を低減するための率先行動として、平成20年3月に坂井市地球温暖化防止実行計画、いわゆるエコオフィスプランを策定し、平成22年度の本庁舎から排出される温室効果ガス排出量を、平成18年度と比較して2.5%削減することを目標として、これまで取り組んでまいりました。

職員による主な取り組みといたしましては、昼休み時間帯の消灯やトイレ、給湯室、廊下などの未使用時の消灯の徹底、OA機器の適正使用、空調の設定温度の適正化、退庁時の電源のオフ、エコ運転の励行などを進め、一方、市としても公用車の更新にあたっては、小型化や環境負荷の少ない車の導入に努めていくとともに、使用実態を精査し台数の削減などに努めてまいりました。

このような取り組みの結果、職員1人あたりの温室効果ガス排出量については、CO2に換算して、基準年の平成18年度は2,089キログラムであったものが、平成22年度においては2,024キログラムと約3.1%の削減効果を得ております。

今後は、エコオフィスプランの計画期間を27年度までの5年間といたしまして、庁舎内に省エネ推進委員会を設置して、早急に現状に即した具体的な管理目標値を定めまして、これまでの取り組みのさらなる強化を図り、市みずからが行う事務事業に伴う環境負荷の低減に努めていく所存であります。

次に2点目の御質問でございますが、環境基本計画の中で重要施策としている自動車1,500キロメートル削減マイレージ運動の推進についてお答えをいたします。

これは、自家用車の利用を1日約4キロメートル控えることにより、環境省が目標としている1人1日あたり1キログラムのCO2削減が可能となるというものでありまして、市では「ぐるっと坂井」の利用を促進し、「カー・セーブデー」と連携した運動を展開することにより推進していきたいというふうに考えております。

市では、平成21年3月に策定をいたしました本計画において、重要度の高い41項目の基本施策について、市民、事業者、市が協働して取り組む施策、また早急に取り組む必要のある施策を優先し計画の効果的な推進を図っているところでありまして、CO2削減/ライトダウンキャンペーンは年々協力事業所がふえ、本年度は200を超える事業所の参加を予定をいたしております。

また、300にも及ぶ地区の参加を得て実施をいたしておりますクリーンキャンペーンや、海や川のごみ対策、生物多様性の保全・再生などの地域や環境保全団体等との連携、協働事業を展開をいたしているところでございます。

なお、県の地域グリーンニューディール基金の活用でございますが、4つある基金事業計画メニューのうち、温暖化対策推進に係る事業として、本市では平成22年度において実施をいたしました春江総合支所の改修工事にあたり、限度額いっぱいの2,000万円の補助をいただきまして照明器具や冷暖房器具の省エネ化を図ったところでございまして、CO2削減量は約28トンと試算されております。

次に、蛍光灯防犯灯をLED化に更新しているが、その進捗状況ということでございますが、市の防犯灯は道路照明を含めて約2,400基ありますが、平成21年度に県の補助を受け、このうち76基を初めてLED化をいたしました。現在のLED化の進捗率は3%にとどまっております。

防犯灯のLED化については、消費電力が低いということからCO2削減につながると認識をいたしておりますが、設置費用は32ワットの蛍光灯と同程度のLED灯を比較しますと、LED灯の方が1基あたり2万円程度高くなるとお聞きをいたしております。

しかし、LED灯の需要が多くなればコストも下がると思われますので、今後の状況を見据えながら防犯灯のLED化を図ってまいりたいというふうに考えております。
次に、各地域単位における防犯灯LED化の補助についてという御質問でございます。

各地区の防犯灯の設置補助事業として、平成22年度に比べ159地区、約320万円を交付をいたしております。

補助金は、防犯灯の設置補助要綱で定めている照明の消費電力量により交付をしておりますが、LEDへの変更は設置費が割高となるため、各地区では設置に消極的になっておられるものと思っております。

しかし、CO2削減などの環境を考慮した取り組みは重要な課題でありますので、LED化した場合の補助金については、今後、補助率や限度額について検討してまいりたいというふうに考えておりますので、御理解をいただきたいと思います。


○ 議長(広瀬潤一)古屋議員。


○ 2番(古屋信二)

1点目の答弁でございますが、坂井市地球温暖化防止実施計画は3.1%ということで達成してることを認識いたしました。そうやって、本市職員がみずから目標管理に緊張感でやっていると思います。そういうことを市民の皆様に広報することが大事であります。それが啓発につながると思いますので、広報しているのか再度お聞きいたします。


○ 議長(広瀬潤一)大杉生活環境部長。


○ 生活環境部長(大杉彰一)

これまでに実施しました事業に、これらの値につきましては、また今後、広報、ホームページ等で案内していきたいと。そして、職員みずからが環境により深く関心を持つために、先ほど市長の方でも申し上げましたとおり、省エネ推進委員会、副市長が本部長となりまして組織立って取り組んでいきたいというふうに思っておりますので、また今後そういったことの内容を市民に呼びかけて、市自体が取り組んでいるんだというようなことで啓発また案内していきたいというふうに思っております。よろしくお願いします。


○ 議長(広瀬潤一)古屋議員。


○ 2番(古屋信二)

ぜひ広報をお願いしたいと思います。せっかく一生懸命やっている職員が浮かばれないというか、率先している見本というのは市民にも見せていっていきたいと思います。

次に、2番目の自動車走行距離削減運動ということで、いつも計画には書いてあるんですが、なかなかそういうマイレージ運動というふうな声が聞こえてきません。市長の答弁なんかでは、1日4キロメートル削減、そしてカーセーブ運動、同じことだと思いますが、一応、一たんこういうマイレージ運動とうたっているもんですから、一般市民はどういうふうなことだというふうな質問を受ける場合があります。マイレージっていうと、何かマイルがたまるとか、何か恩恵があるのかというふうに考えておりますし、一般市民は。ちなみに、福井県では自動車走行距離削減運動、「CO2削減!レッツトライ180」っていう運動を去年実施しております。今年も、今やり始めて、参加事業者はもう締め切ったところでございます。昨年は111チームが参加しまして、22万6,190キロメートル削減し、CO2は52トン削減したと実績があります。坂井市においても、ぜひこういったマイレージ運動、これ挙げてますので、ぜひ企画、発信をしていきたいと思いますが、そういったものの見解はどんなもんでしょうか。これも生活環境部でしょうか、よろしくお願いします。


○ 議長(広瀬潤一)大杉生活環境部長。


○ 生活環境部長(大杉彰一)

今ほど答弁にもございましたとおり、一応、市としましては、このマイレージ運動につきましては、カーセーブ、また「ぐるっと坂井」という、こういった利用促進を図りながら、このCO2削減に取り組んでいきたいというふうに思っておりますけれども、昨年のカーセーブ参加者、職員につきましては延べ人数で3,324人で、CO2削減量が6,742キログラムという、わずかな数字ではありますけれども、そういった効果があります。ただ、この環境に対する継続的な取り組みっていうのはなかなか数字にあらわれないものですから、こういった総量的な数字を示しましてCO2削減、また今ほどおっしゃられましたマイレージ運動に、そういった活動と連携しながら、そういう表現をしていきたいと、マイレージ運動につなげていきたいというふうに思います。


○ 議長(広瀬潤一)古屋議員。


○ 2番(古屋信二)

ぜひマイレージ運動をやっていただきたいなと思います。

3点目の質問でございますが、私がちょっと質問したのは、あと3ケ年においてもう1回計画するべきじゃないかなと思っていたんですが、今、市長の御答弁は27年度までの5ケ年ということで、これはまた新しい目標を、さらなる目標を決めていただきまして推進していってほしいと思います。

4番目のLEDの事業でございますが、春江総合支所ということで、省エネの一部動きをされたってことは喜ばしいことだと思います。

また5点目ですが、今年の自治区長会の会議資料では、防犯灯の更新についての補助は列記してません。新しく、壊れた防犯灯を修理するというふうな列記はしてませんが、この点については補助金は出るのでしょうか。それとあわせて、福井県の今のニューディール基金事業では、LED防犯灯整備事業っていうのが含まれてございますが、それとあわせて推進の考えがありましたら御答弁をお願いしたいと思います。総務部になるかと思いますが、よろしくお願いします。


○ 議長(広瀬潤一)五十嵐総務部長。


○ 総務部長(五十嵐英之

)集落の防犯灯の整備につきましては、今ほど御質問の、いわゆる修繕による取りかえというものも当然対象としております。ただし、蛍光灯の球のみをかえるというような場合には対象としておりません。器具すべてを取りかえるといった状態のときに対象としております。

それから基金の関係ですが、先ほど市長の方から御答弁したと思いますけれども、既に限度額をすべて福井県の枠は坂井市はいただいております、2,000万円。ですから、そういった基金の事業はちょっと防犯灯について取り組むことはできないと思っています。


○ 議長(広瀬潤一)古屋議員。


○ 2番(古屋信二)

よくわかりました。一応環境のことを考えますと、こういう防犯灯の更新というのはLEDというのを促進していただきたいと思いますので、御検討をお願いします。

最後になりましたけど、坂井市民として6月28日のライトダウンキャンペーンが地球温暖化の防止のためにいい機会ではないかと思います。議員含めて理事者の皆さんの全員が参加しますようお願いしまして、私の質問を終わりたいと思います。

平成23年6月議会一般質問(上出純宏議員)

3番、新政会の上出です。



通告に従いまして、観光行政について一般質問を行います。


坂井市では、3月末の竹田しだれ桜の里のチャイムの完成や東尋坊観光交流センターの整備といったハード面の整備、学生合宿促進事業の開始、新しいパンフレットの製作、広域では芦原温泉と連携したオンパク事業の取り組みといったソフト事業の展開など、ここへ来て坂本市政における坂井市の観光行政が着実に歩みを進めているということを市民に向けても市外に向けても目に見える形での実施、あるいはマスコミやらネットを通じて情報発信をしている点においては、まずもって評価するところだと思います。

その一方で、高速道路土曜日曜1,000円制度の実験が6月19日で一たん終了します。これは、かなり観光需要が冷え込むのではないかと大変懸念を抱いております。私もこの実験の期間、どこまで入っても1,000円という特典に便乗して、かなり遠方までドライブして、いろんな用件を果たしてきましたが、これから5,000円、1万円を払うとなると財布の中身との相談になりますから、これまでのように都合がついたら出かけてみようかなというようなわけにはいきません。やっぱり一度甘い味を覚えたら、なかなか戻れない。

今、東日本大震災による、いろんな意味での政情の不安定や消費行動の停滞に加えて、今回の実験の中止は観光の出控えにつながって、観光を目玉としている我が坂井市のような地域経済をさらに圧迫するのではないかなと推察するところでございます。

政府は観光庁を設けていますけれども、地域の現実に余りにも目を向けず、海外のお客様を招く方に対策しているように見えます。とはいえ、地方自治体は地域経済の交流のためにも、観光産業にかかわって生活を営んでいる方々のために、この窮地を脱する何か対策を施さなければいけないと思います。まずそういう観光産業の危機感を抱いているということを前提としまして、ここから本題です。

全国の観光地が、我が地へ観光客を引き寄せようと、あの手この手を講じて競い合っているわけです。となれば、それでもそこへ行きたいという説得力を持った観光対策が必要でないかと考えます。私は、観光対策の1つが、だれにでも、そして今すぐにでもできること、そういう面でいうと、心のこもったもてなしが大切な要素だと思っています。せっかく観光の目的地として選択して訪れてくれる観光客です。その方々を大切におもてなしすれば、もう一度訪れたい、あそこはいいとこやよと人に勧めてもらえます。ハートに響くおもてなしこそ最強の観光対策、いますぐできることではないかなと思っております。

観光の振興を図るためには、観光客が来たくなるように魅力づくりをして情報発信をすること、これはもちろん第一義でございますが、おいでになった観光客をまずは目的地までたどり着いてもらうというところが、もてなしの第一歩だと思います。その観点で私はこの質問をしているんですけども。観光客の誘導という課題で、坂井市内の現況を検証してみました。私は観光客になったつもりで、福井北インター、それから丸岡インターから竹田のしだれ桜の里の方へ向かってみたり、丸岡城の方からしだれ桜の里の方へ回ってみたり、あるいはJRの芦原温泉駅から三国の方に向かってみたり、それからえちぜん鉄道の三国駅、それから道の駅三里浜など市内の出入り口から、東尋坊、三国きたまえ通り、丸岡城、竹田地区などの観光ポイントへ移動してみましたが、おいでになった観光客を目的地まで誘導するということにおいて、どうも配慮が足らないように感じました。これは私の感想です。

そこで質問します。

現況をどのようにとらえておりますか。それから、観光ビジョン基本戦略の中で、これをじっくり見ましたけども、観光客の誘導については全く触れられておりません。これまで観光政策を練る中で観光客の誘導という視点で研究したことはありますか。

以上のことについて一般質問いたします。どうぞよろしく。


○ 議長(広瀬潤一)坂本市長


○ 市長(坂本憲男)

上出議員の御質問にお答えをいたします。

初めに、観光客の目的地までの誘導の現況でございますが、本市には毎年多くの観光客が訪れていますが、バスや電車、マイカーなど多種多様な交通手段を利用されてお越しをいただいております。

例えば、JRを利用した場合、福井駅ほか主要な駅には観光パンフレット等を備えてありますので、移動手段の参考にされていると伺っております。また、えちぜん鉄道におきましては、キャビンアテンダントによる車内配布も行っているところでございます。

また、県外からはマイカーやマイクロバスを利用される場合には、誘導サイン、あるいは観光パンフレットやマップなどを参考に移動していただいていると思います。

今後とも、観光客の立場、目線に立ちながら、4月に開館をいたしました東尋坊観光交流センター、竹田水車メロディーパーク、丸岡城下の丸岡観光情報センターを観光情報提供の拠点といたしまして、私の基本施策方針であります「心」をキーワードとしつつ、坂井市を訪れていただいた方々に、今ほど上出議員も話ありましたように、やはり何といっても心のおもてなしを十分に提供していきながらリピーターの増加につなげてまいりたいというふうに考えております。

次に、観光ビジョン基本戦略の中における観光客の誘導に係る視点についての御質問でございます。

坂井市観光ビジョン戦略基本計画書につきましては、坂井市観光のあり方や方向性を示すためのものとして、平成21年3月に坂井市観光連盟が策定をいたしました。この計画書は、平成20年6月の観光連盟発足直後から、連盟会員を中心といたしまして幾度となく打ち合わせ会議を開催し、坂井市の5年先を見据えた各方面からの観光施策の推進計画として策定したものでございます。現在は、この計画書に基づき各種事業を展開しているところでございます。

御質問の観光客の誘導についてでございますが、観光ビジョン戦略基本計画におきましては、従来、観光地の魅力アップを図る施策として市内へのアクセス向上を掲げております。短期的取り組みの中では、インターネットサイトを通じて、車、鉄道などさまざまな交通手段に対応したアクセス情報の提供や市内観光地の情報提供、市内観光地間の移動について紹介をしていくこと、また観光パンフレット内に住所、電話番号を掲載することでカーナビ検索の利便性を図ることや、最寄りのバス停、道順、所要時間の掲載など内容の充実に努めることとしております。

現在、坂井市観光連盟では、25年度の基本計画の改定に向け新たな方向性を検討している段階でもあります。本議会に予算をお願いをいたしております観光等アドバイザー1名を置いて、広い視野と豊富な経験など専門的な見地から市の観光産業のビジョンについての指導・助言をいただき、より内容を充実した観光ビジョン戦略基本計画を策定し、観光客の心に響くおもてなしを踏まえた観光客の誘導などにも十分配慮したものにしていきたいというふうに考えておりますので、御理解をいただきたいと思います。


○ 議長(広瀬潤一)上出議員。


○ 3番(上出純宏)

せっかく調査で私回りましたんで、議長にお許しを得て、パネルをちょっとつくってきました。

例えばこれですけど、これは坂井町時代につくった施設とか道路の横につけてあるものですけども、これは坂井市役所、坂井グラウンドという矢印がついてますけど、これの後ろを見ましたら、何も利用していない状態。それから、これは山中のトンネルの方へ行くところのものですけども、これは丸岡町時代につくったものだと思いますが、丸岡城、たけくらべ、千古の家というような形ですね。

前も、高速道路の1,000円時代の話をちょっとさせてもらったりしたんですけども、そんな中、時代に、パソコンやったり、ネットで、ナビが今普及したりというような形で、自分たちでいろんなところへ行くからナビに頼ればいいと、それは観光客に任せることだということで、案外とその誘導ということについては、観光客のことに任せているんですけども、しだれ桜の里というものを、このたび整備したときに、私はこれを質問を思いついたのは、そのしだれ桜の里へどうやって行ってもらうんやろうっていうようなことが、どれだけ外に向けてアピールしているんかなというようなことで、あの政策の中に、その施設の横に看板を立てる予算はついてましたけど、しだれ桜の里までどうやってお客さんを招こうかということについての考えがないように思います。やはり、ああいうものを考える場合、そこへお客さんを招くためにはどうしたらいいかっていうことを大切に考えて、それまでも計画の中で取り入れるべきではないかなと思っているわけです。そうすれば、既に旧町時代につくったこういうものを活用して、そういう看板を早急につくりかえるとかいうことはできると思います。

それから、先般、NHKの正午過ぎの生中継する番組で三国のきたまえ通りが中継されました。この番組が終わった直後からこの2週間ほどの間に、ものすごい人がやってきたそうです。ボランティアガイドの人に伺いましたら、大変うれしい悲鳴を上げていました。これは、高速道路の1,000円実験が間もなく終了しますから、その駆け込み需要も影響しているのかなとボランティアガイドの人はおっしゃっておりました。私もそうかなと思いますし、もちろん全国放送の影響力の大きさっていうものを大変思い知りました。じゃ、この番組を見た人がおばあちゃんとして、えち鉄で来たとして、アテンダントの人が説明したとして、駅からおりたら、もうアテンダントの人がいません。いなくなった後、駅の中に行ってみました。これ、駅の中です。こっちは、その駅の中の控室やら、たこ焼き屋さん、これもうやめたので、ここあいてるんですけども、この駅におりた人にとっては、きたまえ通りっていう言葉がどこにもないし、それからもちろん、旧岸名邸とか、銀行の建物とか、それをひっくるめて、あの辺、通称をきたまえ通りっていう名前を愛称にして宣伝しているんですけども、そういうものがどこにもないと。とすると、駅をおりた人はどうしてそこへ行けばいいのかっていうことを考えないと行けないんですね。駅員さんにちょっと聞いてみましたら、駅員さんのところには、一応こういうプロジェクトがつくったチラシとか、こういう地図を、聞かれたら渡すと。パンフレットスタンドはありません。聞かれない限りは渡さないというようなことを言っておりました。

ということで、じゃ、きたまえ通りに行くための看板をどっかにあるかなと思って私調べてみたところ、1ケ所だけありました。道の駅ですね。道の駅さかいと、それから道の駅三里浜、こういう看板が、この3月ぐらいにつきました。これ、どこがつけたかっていうと、石川県の観光交流局かな、っていうところが新たに設置した中に、竹田水車とは書いてなかったかな。竹田というのと、三国きたまえ通りっていう表示がありました。今、その2つが表示してあるのは、今、多分、坂井市内の看板はこの2ケ所だけだと思います。これ、石川県の観光交流局が設置したっていうことも、ちょっとショックなんですけども。

それから、もう一つ言うと、東尋坊へ何百万人か、90万人、100万人としましょう。が来たとして、東尋坊へ来たお客様をきたまえ通りの方へ導くようなことって、どっか看板ないのかなと思って調べたんですけども、東尋坊から戻るときに、こういう三差路があります。この三差路。こういう三差路がありますね。三差路のところに、この三差路の真ん中にある看板、これがこういうふうに書いてあります。金津丸岡インターチェンジ、305号、運動公園、龍翔館、こっちはサンセットビーチ、ゆあぽーと、三国港で、真ん中に「歓迎、三国温泉」というように、こんなふうに書いてあるんですけども、もしもここに三国の古い町並みとか書いてあったら、東尋坊へ来た、ちょっと寄ってみようかなっていうのは何%かの人はいると思う。そういうようなことってのは、ここの看板書きかえるだけですので、大変費用がかかる話でもないと思います。こういうような形の中で、私も仕事が学芸員って仕事をしてましたんで、その企画をしましたら、そのお客さんにいろんなことをわかってもらうためには、そのお客様を展示物のところにどうやって御案内し、次こっち行ってもらって、左行って、右行ってもらってというようなストーリーを描くんです。これは誘導とよく似てるんですけど、導線っていいます、導く線。だから、そういうようなことを、観光客の人をそういう形で誘導していくという形をもうちょっと研究すれば、今、例えば坂井市内に500万人の人が来るとすると、1人100円でも余分にお金を使ってもらえることになれば5億円入ってくるわけですから、経済効果高いものがあると思うんですよね。例えば、もっとわかりやすい例を言いますと、コンビニエンスストアとかに行って、一番売りたいもの、売れているものを一番目線のところに置くとか、そういうように人間の行動心理やらを十分に活用して商業活動をしているところです。

そういうようなものが、観光という視点において、これをいろいろと取り入れることは、研究してみるという中で、こういう、今、そこの看板はこんなんの方がいいんでないかなっていうなこととかも出てきます。

それから、もう一つだけ言うと、さっきの三差路の近くのところにある誘導の表示なんですけど、こんなふうに高さも大きさもばらばらで、景観的にも非常に見にくいと。観光地にしては、そういうことが全然考慮されていないというようなことです。こういうような看板です。もうばらばらになっています。こういうような現状を僕は見てきて、いろんなことを思ったんですけども、産業経済部長にちょっと、こういう現実でどのように思うか、お願いします。


○ 議長(広瀬潤一)黒川産業経済部長。


○ 産業経済部長(黒川規夫)

今ほどは上出議員から、いろんな場所の観光案内看板等の御指摘をいただきまして、改めて私も、実際に丸岡から、インターから東尋坊まで、あるいはまた東尋坊から丸岡城、竹田へと一度走ってみたことがあるんですが、御指摘のとおり、丸岡インターチェンジからおりたときには、いくつもの看板がもうずらりと並んでいると。7ケ所ぐらいありましたですか。それから、東尋坊へ向かう際には、国道には国土交通省が、あるいは県道には県が、そういった誘導看板をつけておられるといった形の中で、いろんな場所を御指摘されてますので、私、東尋坊までのことしか今のところは見ておりませんのであれですが、東尋坊までは看板の誘導で何とか行けたというのが認識です。

また、東尋坊から丸岡城あるいは竹田へ戻ろうかなと思って、そういった誘導看板等を探すんですが、永平寺という看板はございます。ただ、丸岡城につきましては、福島の陸橋、あそこに市がつくって両面、片っ方は東尋坊、片方は丸岡城ですか、というような看板が設置してございまして、そういった形の中で、旧町単位でつけた看板で、旧町へ入ると、そういった観光地への誘導が多くなされている。それはもう、丸岡、三国もしかりでございます。ただ、今の言う三国の駅からきたまえ通り、あるいはそういったところについては、そういった看板については議員御指摘のことだというふうに思っております。

大体、観光バスで来られる方は、それぞれ観光会社の企画に基づいて、目的地、あるいは時間、そういったことで来られると思いますが、車で来られる方、あるいは団体のマイクロバス等で来られる方は、坂井市内の観光地、目的地、1ケ所、あるいは2ケ所を計画しながら来られるという形の中で、そういったところへは計画しておりますのでスムーズに行けるのかなというふうにも思いますが、そこへ行った場合に、もう1ケ所坂井市のこういったところがあるんですよといったような場所を誘導する、そういったことが大事なことではないんかなというふうに思います。

そういった意味でいけば、今言う観光交流センター、東尋坊ですね。あるいは、竹田のメロディーパークでの観光パンフの配布、それから丸岡城の観光交流センター、そういったところで、そういった観光パンフレットでの誘導、そういったことについては今後ともますます進めていかなあかんと思いますが、来られた多くの方々を、そういった広告、看板と、誘導看板等で誘導していくというのは、費用面とか広告物の設置とか、そういった面でなかなか難しいところもあるのかなというのが私の今の現状の認識でございます。


○ 議長(広瀬潤一)上出議員。


○ 3番(上出純宏)

看板っていうのは、今おっしゃったように、景観にそぐわすというのはかなり難しいものはあるんですけども、それでもそこへ置けば、きっと効果があるというところ、そういう科学的なことを検証して、シミュレーション、今、パソコンでもできるように、今、部長も回ったように、高速をおりたらどういうルートで東尋坊へ来るんやというような、そういうルートはわかるわけですから、そういうので、ここへ置くと効果的であろうというようなことを研究されれば相当経済効果が上がると思いますし、お金をかけずにっていうようなことで言うと、これまで旧町時代に設置したもののいろんな誘導表示板みたいなものを見直すというような形で工夫して使うということでやっていけば大分変わるんじゃないかなと思うんですけども、建設部長、都市計画の観点からいかがでしょうか。


○ 議長(広瀬潤一)新谷建設部長。


○ 建設部長(新谷優一)

坂井市内全体のサイン計画になろうかとは思いますが、これらにつきましては、今、産業経済部長からも話があったように、それぞれの部だけで行うものではなかなか難しいのかなと思っております。もともとサイン全体の計画を含めて、企画とか、あと建設部とか産業経済部とかで連携しながら、今、議員おっしゃられるように、なるべく経費のかからない方向で、より誘導ができわかりやすい案内ができるようなものができるものかを、今後きちっと研究もしていかなければならないのかなと思っております。


○ 議長(広瀬潤一)上出議員。


○ 3番(上出純宏)

今、パソコンでいろんな観光のデータを集めることができまして、どういう手段で観光するのかということでいうと、今、マイカー利用率が約50%です。カーナビの普及もありますから、カーナビでっていうようなことを思うかもわかりませんけど、旅する人って、カーナビとかパソコンで来る人って結構気ままで、強制的に運ばれてきませんから、珍しいなとか、おもしろいなっていうようなことがあったら、そっちの方へ行ったり、自由に結構できるところがあります。その観光の目的、社団法人の日本旅行業界の2008年の白書なんかを見ましても、歴史・文化・観光っていうのが4位に、1番は温泉ですね、もちろん。2番が自然、3番グルメ、4番歴史・文化・観光というような形でくるぐらいに、いろんな情報の中で観光のスタイルというのが自在にできるということなので、そういう観光客のニーズっていうものと、今のそういういろんなコンピューターを使った情報の公開はもちろんあれですけど、やっぱり今の駅からおりた人は施設を使う人が町の学校へ行ったり、職場へ行ったりする人だからっていうんじゃなくって、あそこも三国の方に入る玄関口の1つなので、例えば、あそこに、今のたこ焼き屋さんが終わったんですけども、そこの壁をビルから借りて、そこのところで駅おりた人に、せめてきたまえ通り、それからもちろん東尋坊も含めたところの、そういう案内みたいなのが1つあれば、かなり観光地としてのもてなしのグレードが上がるのではないかと思うんですけども、市長、どうでしょうか。


○ 議長(広瀬潤一)坂本市長。


○ 市長(坂本憲男)

今ほど、上出議員、観光についていろいろ、特に誘導サインについてお話があったわけでございますが、冒頭でも上出議員からもお話がありましたように、まずは何といっても、これからの時代、やっぱり心の観光っていう、心のおもてなしっていうのがまず第一じゃないかなというふうに思います。そういう1つの中において、観光のサイン計画っていうか、誘導サインも確かに必要だと思います。私も、車に乗っていて、看板がっていうことで、ちょっと気がついたところもあります。そういった中で、本市としては、まずはたくさん集まる施設っていうんか、例えば前回か、川畑議員か嶋﨑議員からお話があったように、児童館の観光パンフレットとかっていうことで、それも今週中には、この観光パンフレットスタンドっていいますか、あそこは年間何十万人ですか、あそこに来るのはね。そこには、今週中には設置もしていきたいというふうに思いますし、また交流センターにおいても、今月中、もっと早いと思いますけど、少なくとも今月中には立体感のある窓口の方に坂井市全体のそういう観光の案内を置きたいというふうに思っていますし、特に最近は、今ほどお話あったように、もうほとんどの人っていうか、車に大体カーナビをみんなつけてるでしょう、お年寄りの方もね。ただ、ほとんど観光の目的っていうのは、観光のカーナビを見て、観光の訪れる方が多い。そういった中で、この誘導サインについても、私も坂井市をずっと歩いても、そういう看板についても、ここはちょっと環境に悪いなというサインなんかもありますし、この観光のサイン誘導についても、今、上出議員もいろいろ御指摘あったように、完全ではありませんが、そういう必要なところは看板の設置もやっぱり必要じゃないかなっていうふうに思っています。

そうした中で、今後とも、やっぱり坂井市っていうのは観光の町でございまして、また今月ですか、地域の地域情報紙である「福楽」というのがあるんで、あれは20ページ近くが、この坂井市全体の特に観光を中心とした、これなんかも載ってます。そういうなんかにも、いろんな情報発信していきたいなというふうに考えておりますので、よろしくお願いをいたします。


○ 議長(広瀬潤一)上出議員。


○ 3番(上出純宏)

そういう形で、看板の設置、お金をかけない方法をいろいろ考えれば、工夫すればできると思うんで、それこそ前倒しでできるようなところがあったらぜひ取り組んでほしいなと思いますし、その三国湊きたまえ通りっていうのが仮称、愛称であるとしても、結構みんなが使い出したっていう認知度からすると、町の中に護岸道路をずっと行って岸名邸の入るところにしても、そこらのどっかに1枚、そういう、この辺が右に入るときたまえ通りだよっていうような指示が1枚もないですね。だから、そういう面でいうと、今のそういう文字が石川県の観光交流局がつくった看板にしかないっていうところが非常に寂しいなと思いますので、ぜひ御検討いただいて、配布していただいて、1,000円時代のこれから多分来るであろう観光の谷間を少しでも抜け出す方策をなるべく早く取りかかってほしいなと思いますし、科学的に誘導のことを研究、どっかのコンサルでもいいと思うんです。お金のかかる話になりますけど。自分たちでできなかったら、専門のところで研究をして、そういうものが今後の戦略ビジョンの中に生かされるような方向で進んでもらいたいなと思っています。

以上、質問を終わります。

平成23年6月議会一般質問(田中哲治議員)

4番、新政会、田中哲治です。



通告に従いまして、私は、本市の農業と観光事業の連携、すなわち元気の出る振興施策についての現状と考え方、また実態について一般質問をさせていただきます。


まずもって、さきの東日本大震災におきましては、多くの方々が犠牲となりまして、また被害を受けられました皆様には御冥福とお見舞いを申し上げます。

さて、本市は広大な平野が広がり、西部には砂丘地、また北部にはあわら市も含めました約1,900ヘクタールの丘陵地が広がっております。そこでとれる農作物は多様な観光資源を有しております。また、県内随一の穀倉地帯でもあり、約6,700ヘクタールの田・畑を有しておりまして、農業産出額は約100億円と県下でもトップでございますし、また同時に県全体の約20%強を占め、福井県の農業生産面でも特に重要な位置づけにあると言えます。

また、本市の観光につきましては、御承知のとおり、日本屈指の景勝地であります東尋坊や風情のある港町、また越前がに、アマエビなどの豊かな海の幸、そして現存する天守閣では、日本最古の丸岡城や、また先般完成しました水車メロディーパーク、そして伝統ある祭りなどなど、伝統・文化・歴史が観光にも農業にも多彩あり、まさに農業と観光の連携は切り離せないものと考えているところでございます。

しかしながら、近年、農業については担い手の高齢化や後継者不足などにより、耕作放棄地の増大が懸念されることも現実であります。また、観光事業につきましては、宿泊型リゾートから通過型リゾートへの変貌による集客力の低下が現実で、現在、余暇の過ごし方といたしましては、体験型宿泊プラン(グリーン・ツーリズム)に人気が集まっているのも事実でございます。

特に、観光振興は地域活性化の切り札、起爆剤とも言われておりますが、活用できる資源では、自然の風景や景観など自然資源、いわば地域資源でございます。また、観光ポイントや伝統、文化、芸能などの観光資源があると思いますけれども、観光資源、地域資源とは何も物ばかりであるとはないと思っております。やはり、農商工観の何かと何かを組み合わせることによりまして生まれる新たな魅力というような資源もあるんではないかと思っております。

また近年、子どもたちの生活体験や自然体験が不足しているのではないかと思われております。子どもたちの豊かな人間性を育むため、農業体験を通した体験型学習を実施することで、さまざまな教育的効果があるようであります。

1つは、田植えや稲刈りなどの体験学習の前後で子どもたちの心理状況の変化を計測しますと、怒りや不安といった感情が低下する傾向であります。

2つ目には、宿泊を伴う場合、子どもの情緒が安定し明るさや活気が出て我慢強くなるなど、農家の協力が得られることで、農業への興味や関心、また地域に対する理解などが深まる傾向にあると言われております。全国ベースでの小学校の農業体験学習は80%、中学校は35%とお聞きしております。修学旅行での体験学習を取り入れているのは6割以上ですが、農山漁村体験を行うのは、小学校では11%、中学校では5%程度にすぎません。最近では、民宿と農業体験など新しい修学旅行の形として取り入れる学校も見られておりますし、近年各方面から家族で観光を兼ねた農業体験学習も少なくありません。これら等々につきましても、市としての積極的な事業展開をする必要があるんではないかと思っております。

また、農業につきましては、一昨日の11日には、皆さん御承知のとおり、国連食糧農業機関、いわばFAOでございますけども、環境保全、また目配りした特色のある農業が実践されている地域、佐渡市におきましては、特別天然記念物のトキと共生を目指す減農薬、また七尾市四市四町でございますけども、これにつきましては、棚田の米栽培や海女業を営む山村や漁村を里山里海と呼んで守っていることが評価されまして、我が国で初めて世界農業遺産として登録されました。今後、環境保全や農場保全と調和も図る滞在型観光の促進などが期待されると記事がございました。

坂井市においても、海・山・里と多くの自然があり、農業と観光事業の元気の出る振興施策として考えていかなければならないと思われます。今後、農業体験を目的に観光を兼ねた宿泊プランなど、農業と観光の連携による強化対策が必要と考えます。

そこで、3点お伺いをいたします。

1点目は、農業と観光事業の連携は、行政と農業関係団体や観光協会がタイアップして推進していく必要があると思いますが、市の現状と考え方についてお伺いをいたします。

2点目につきましては、農業と観光の振興策といたしまして、元気の出る振興施策と資源を活用した観光農業の考え方についてお伺いをいたします。

最後に、市の体験学習農園、いわば農業体験学習でございますけど、この実態がどうなっているのかをお伺いをいたします。

以上が質問の内容でございます。


○ 議長(広瀬潤一)坂本市長。


○ 市長(坂本憲男) 

田中議員の御質問にお答えをいたします。

農業と観光事業の連携についてと、農業観光の振興策として、元気の出る振興施策と資源を活用した観光農業の考え方については私が答弁させていただきますし、また市の体験学習農園の実態については、後ほど教育長がお答えをいたします。

まず、農業と観光事業の連携につきましては、行政と農業関係団体や観光協会がタイアップして推進していく必要があるというふうに思いますが、市の現状と考え方についてお答えをさせていただきます。

市の観光連盟には、JA花咲ふくい、JAはるえ、また三里浜特産農協を初め4つの漁協、坂井森林組合が加入をいたしておりまして、観光に農林水産業の素材を組み合わせていくための協議の下地は既にできているものと認識をいたしております。

グリーン・ツーリズムについての取り組み事例は、坂井市を含めて県内にいくつか見受けられますが、農家側の受け入れ時期が一時的なものや、年間を通じても、受け入れに見合った収益や集客数が確保できるほどの成功事例はほとんどないというのが実情でございます。

そのような状況の中で、農林水産関係団体・観光団体の積極的な取り組みには至らない状況にあると思われます。

市としましては、これらの現状を踏まえた上で、地域と都市交流の拠点施設として整備した道の駅みくにふれあいパーク三里浜、坂井地域交流センターいねす、ユリーム春江、竹田水車メロディーパーク等を通じて、また市内直営店とも連携を図っていきながら、グリーン・ツーリズム体験受け入れ農家を初め坂井市の農業者・グループなどが心を込めた畜産物や農産加工品の販売、PRに取り組み、さらにさきの上出議員の御質問の中でもお答えもさせていただきましたが、観光アドバイザーを活用し、農業と観光を中心に広く全国に発信をしていきたいというふうに考えております。

また、空き家を対象とした新たな事業展開も視野に入れて検討してまいりたいというふうに考えております。

次に、農業観光の振興策として、元気の出る振興施策と資源を活用した観光農業の考え方との御質問でございますが、坂井市の特産作物として大麦、大豆、そば、ラッキョウなどがあります。

初夏には、あたり一面が黄金色に染まる大麦や、秋には白い花の咲くそば畑、また緩やかな起伏の砂丘地にはラッキョウの花が一斉に咲き誇り、紫のじゅうたんが敷き詰められているかのような光景が広がります。

このような季節感のある魅力ある風景を紹介して広く周知していくことで、観光地としての確立、観光農業の進展につながっていくものと考えております。

一方、食の方では、ラッキョウや大麦、大豆を使った大豆入り麦茶、さらには県内で愛されているおろしそばを味わうことができるのも魅力ではないかと思います。

坂井市内の農産物直売所に並ぶしゅんな農産物の情報を、インターネットや情報誌を広く活用することで、地元や近隣の方のみならず観光客にも直売所に来てもらう回数をふやし、売り上げに貢献することができるものと考えております。

また、農業と観光の関連については、これまでにも行われていますが、北陸でも屈指の園芸産地である坂井北部丘陵地の観光客を対象としたナシなどの体験収穫の拡大、民宿等の観光業と地元農業者による地元農林水産物を食材としてふんだんに使った食事の提供などにより、地域農業並びに観光振興に寄与できると考えております。


○ 議長(広瀬潤一)川元教育長。


○ 教育長(川元利夫)

私の方からは、学校での市の体験学習農園の実態についてお答えをいたします。

教育委員会では、ふれあい交流事業の一環といたしまして、地域の特色を生かした地域交流事業をすべての19の小学校で行っております。この地域との交流事業においては、自分たちが暮らす地域での農業や漁業などの体験を行っており、具体的には、地域のJAや農村女性活性化委員、また地区老人会、PTAなどと連携をとりながら、稲作、水稲ですね。ラッキョウ、サツマイモ、春江では白茎ゴボウ等の苗植えとか肥料まき、除草、収穫といった一連の体験を行っており、収穫できた材料で収穫祭などを行っています。漁業においても、タイの稚魚放流やワカメ干し体験など、また坂井農業高校との連携においてハムづくりや野菜づくりを行っております。

このような一連の体験を通して、地域産業の理解や地域の人々との交流を図り、生産にかかわることによって、生産の喜びや労働の大切さ、奉仕の心を養うといった「豊かな心」を育むことを目的として実施を行っております。そのほか、わんぱく少年団であったり、自然教室など、いろいろ体験学習を実施しているところであります。

以上です。


○ 議長(広瀬潤一)田中議員。


○ 4番(田中哲治)

今の回答にちょっとわからない点がありますので、ちょっとお聞きします。

地域の拠点の施設、道の駅、またふれあいパーク、またゆりの里、また竹田、いろいろありますけども、直営を連携いたしましてグリーン・ツーリズムを図っていくというふうな説明がありましたけれども、今現在、どのような、数と申しましょうか、団体と申しましょうか、これをお聞きしたいと、そのように思っております。


○ 議長(広瀬潤一)黒川産業経済部長。


○ 産業経済部長(黒川規夫) 

地域拠点施設でございますが、今、議員さん言われるように、道の駅、みくにふれあいパーク三里浜、また坂井の地域交流センターいねす、また春江のゆりの里公園、ユリーム春江、また竹田水車メロディーパークの竹田屋といったような、農業者が出展して農産物等を、そこへ訪れた観光客の方が、そこで地域のいろんな農産物を買って帰るといったような、そういった交流、観光客が日帰りする体験交流の場として、そういう場所がございまして、年間約40万人ほどの方が利用をされているというな実態がございます。そのうち県外の方が約14万人ほどになろうかと思います。

ちなみに、昨年8月の竹田の水車メロディーパーク、8月からのオープンでございましたが、その間、約4万人強の方が来場されておられるというな実態でございます。


○ 議長(広瀬潤一)田中議員。


○ 4番(田中哲治)

今の部長の回答で、グリーン・ツーリズムで県外からも14万人というふうにおっしゃっておられましたけれども、日帰りといいますと、坂井市にはたくさんの民宿がございます。そのようなとこで、観光協会、また市、行政といたしましても、そんなことで、やはり滞在型のそのようなことを進めなければならないんじゃないかなと。そうすることによって、坂井市の経済発展につながるんじゃないかなというふうに思っておりますけれども、今後、どのように推進していくのでしょうか。


○ 議長(広瀬潤一)黒川産業経済部長。


○ 産業経済部長(黒川規夫)

先ほど言いましたような道の駅とかというのは、やはり観光客が日帰りをする、日帰りをして交流が図られた場所といったようなことがございますし、そのほかにも坂井市内でそういった交流体験といわれるものについては、サツマイモの体験農園とかメロンの収穫体験、ほかにもそば打ち体験とか、そういった形で日帰りの体験というものについてはいくつかございまして、今ほど議員さんがおっしゃられますように、滞在型のそういったグリーン・ツーリズムが必要ではないかといったようなことだと思いますが、今後、坂井市内にも、先般、空き家等の調査も実施をしておりますし、そういった空き家等の所属する、主に農業地域といいますか、そういったところの調査を図りながら、滞在型、あるいは短期滞在型、長期滞在型、そういったグリーン・ツーリズムも今後十分検討していく必要があるというふうに考えております。


○ 議長(広瀬潤一)田中議員。


○ 4番(田中哲治)

では、もう1点お聞きをします。

今、坂井市に耕作放棄地、現状で直ちに耕作できる土地が約9町8反ほどあると思いますけれども、それら等々につきまして、体験型学習で、それなら開墾してと申しますか、農園にして、そのような体験型農園をつくる考えはないのでしょうか。



○ 議長(広瀬潤一)黒川産業経済部長。


○ 産業経済部長(黒川規夫)

今ほどの、坂井市で9.8ヘクタールほどの耕作放棄地ですか、すぐ手を加えれば耕作が可能な土地ということで、主に三国の丘陵地の方が9.8のうち9.5ヘクタールほどが三国の丘陵地地域といったようなことで、担当部署としましても、耕作放棄地のことについては大変重要なことでありますので、地元の農業者、地権者、そういった方の理解を得ながら、耕作放棄地の解消といった面からも含めて、今後、地元の方の理解が得られる中で進めていく必要があるというふうに考えております。


○ 議長(広瀬潤一)田中議員。


○ 4番(田中哲治)

では、話をちょっと変えます。実は、2005年から県中央会と小学校が主体で、食農教育の一環としまして、農業体験のそんなリポート方式で、子ども農業体験AGRIリーグということで、昨年、三国南小学校と長畝小学校と兵庫小学校が特別賞をいただきました。そのようなことで、これら等々につきましても、福井県だけじゃなしに、やはりそういうなことで農業を目指す親御さんが県外におられると思います。そんなことも、これから考えていかなければならないんじゃないかなというふうに思っておりますけれども、家族連れ、またそのような、親子は当然でございますけれども、その地域のかいわいの人、こんなことにつきましても、子どもを巻き込んだって、ちょっと語弊でございますけども、そのようなことは今後推進していくつもりはありますか。教育長、お願いします。


○ 議長(広瀬潤一)川元教育長。


○ 教育長(川元利夫)

それぞれの学校では、いろんな体験学習を行っています。特に、手っ取り早いのは、田植えをして、そして肥料をまいて収穫して収穫祭を行うという、そういう手っ取り早さでやっているわけであります。

しかし、これは自分の親が田んぼをしていない、いわゆる町の子どもにとっては非常に重要なものであるだろうと思いますが、それぞれの農業主体の学校においては、もちろんそれも大事でありますが、一番大事なことは、家庭でいかに農繁期に子どもを引っ張り出すかということであります。そう思いますね。つまり、お父さん、お母さんが一緒になって田植えに、その場に参加するとか、お父さんの田植えしてる姿を見せることが、僕は農業後継者づくりの大きな部分でもあるかなって。今は、なかなか難しいんです。お母さんも田んぼがどこにあるかわからんような状況の中で、子どもを田んぼに行くとか、収穫してるところを見させるなんていうのは、もうほとんどないんです。それであってはならんと僕は思いますよ。できたら、自分の田んぼを持ってるんやったら、自分の親は何とかして子どもを引きずってその場に行くとか、見させるとか、体験させるということがあって初めて、この田んぼをおれが受け継いで頑張るんやぞとか、こんなんやれなって、お父さんの夢を子どもに語ることによって後継者はできてくるんでないんかなと思っているわけでありまして、そういう点でも、PTAの方やら、皆さん、地域のいつも言うようなまちづくり協議会の方にもお願いをしながら、そういうものも普及していってくれたらいいかなと考えています。
もう一つだけお話しさせていただきますと、さっきも言いましたように、19の小学校はすべていろんな工夫をしてやっています。例えば、田中議員さんのところで言うならば、稲作はもちろんのこと、東十郷小学校と坂農が隣接していますから、坂農で養った豚の肉を使ったハムを実際つくるとか、お菓子をつくる体験とか、そういうことも、それからアレンジフラワーっていうんかな、そんなこととか、いろんな工夫をした事業を行っています。

それから、山本議員さんのところであれば、雄島小学校では、子どもたちにワカメをとってこさせて、ワカメを干して、そしてやっていくようなワカメ体験とか、あるいは三国西小学校であればラッキョウをやっていくとか、あるいは春江であれば白茎ゴボウを3年生に、種まきから、9月に種まいて、12月ぐらいに収穫するというような、そんないろんな工夫をいっぱいする中で、農業の大切さであったり、勤労の体験とか、そんなことも僕は身につけていくんでないかなっていうことを考えています。

そういう点で、先ほども言いましたように、農業者であれば、自分の子どもをいかにその場に立ち会わせるかということが、これからのお父さんお母さんの大事な部分なんでないんかなと。例えば、織物の関係のお仕事をしている保護者であれば、子どもをいかにそこへ、機械をがっちゃんがっちゃんやるところに、いかに長く見させるかっていうことが僕は課題なんじゃないんかなって、こう考えています。

以上です。


○ 議長(広瀬潤一)田中議員。


○ 4番(田中哲治)

よくわかりましたけども。初めの、我々お父さんお母さんが教えなあかんのは間違いないんですけれども、私の聞きたかったのは、都会からそういうな滞在型でそんなことを推進していくのかっていうのを聞きたかっただけで。もう1回、お願いします。


○ 議長(広瀬潤一)川元教育長。


○ 教育長(川元利夫)

大変貴重な、その体験学習であると思うけど、受け皿がなかなか難しいということもあって、さっき言ったように、竹田小学校で、キャンプで来て、そこで体験をするとか、そういうことはあったとしても、もう一つ、交流学習っていうのをやっています。例えば、平章と三国南が交流をしてやっていくとか、雄島であれば海浜のところのそういう部分があるだけで、外から受け入れてやるということについては、今のところそういう受け入れ体制はないということで考えてください。


○ 議長(広瀬潤一)田中議員。


○ 4番(田中哲治)

はい、わかりました。じゃ、もうこれで終わりますけれども。確かに、農業と観光、農業だけじゃなしに、商工観、これを一体となって坂井市が取り上げていかなければ、これから坂井市の経済は発展しないと、そのように思っております。

これで、私の質問を終わります。