2011年7月1日金曜日

平成23年3月議会の一般質問(上出純宏議員)

3番(上出純宏)3番、新政会の上出純宏です。


通告に従い、2点を質問いたします。


その前に、1年生議員の1人といたしまして大過なく1年が過ぎました。これは、議員、諸先輩方、並びに市長を初めとする理事者、職員の皆様に御指導、御鞭撻をいただいたおかげだと心から感謝しています。どうもありがとうございます。

さて、まず三国祭について伺います。

私は『三国湊奥景・三国祭頌景』という、こういう本を自分で書いて出版しております。これは2年前の5月に出版したんですけども、小学4年生のときにはやし方に出て太鼓をたたき、青年団では山車の上に立って電線を送り、かじ棒にもつかまって、みこしも痛いけど担ぎました。そんな三国祭への強い思い入れを何らかの形で吐き出したいとずっと思ってきて、この本を出版したわけです。3月まで待てばいいのに、1月に退職したほどでございます。

5年に一度、山番を私の町内は迎えるんですけども、そんな私さえこうですから、3年に一度山番を迎えたり、毎年みこしを担ぐ人、それから交通整理など地道に裏方を務める方々の中にはまだまだ三国祭には熱い思いを抱く人はたくさんおります。そうした思いがつながって、江戸時代中期から現在まで三国祭がにぎやかに継承されてきたのだと思っております。

そんな私なので、議員となりましても三国祭の保存継承と振興につきましては重大な関心を払って取り組みたいと考えておりまして、今回一般質問にて、三国祭について所見を伺うことにしました。

平成23年度の予算を拝見しまして、三国祭に関しましては思ったよりも手当てされていることに、市長の思いや配慮を感じております。

つきましては、こうした事業の展開は、三国祭を観光面、文化面、教育面からどのように位置づけられたところから取り組もうかということになったのかということを伺いたいと思います。

次に、丸岡総合支所の改修に伴いまして4階にホールを設けるということに関しましての質問をさせていただきます。

旧三国町のとき昭和48年ごろに、福祉関係の補助金を活用して建てられた社会福祉センター、ここには700席ほどのホールがあります。その利用目的は講演会を開くためということで、舞台芸術を行うにはお粗末な機材しかなく、また照明や音響といった舞台装置を使いこなせるスタッフもいないことから、ステージを使っていろいろな妙趣をやりたい人には大変不評で、結果、次第に利用する人がいなくなり、生の舞台芸術に触れる機会も少なくなりました。

こうした不便を解消してほしいとの要望から建設されたのが、みくに文化未来館です。私はその設計段階には加われませんでしたけれども、建設工事のところから開館後の運営計画の立案、そして開館後の運営に10年間もかかわってきました。おかげさまで、舞台の設備やその利活用につきましては、人一倍精通しているつもりでございます。

昨年12月の全員協議会の資料に添付されているホールの図面がありました。それを大変興味深く拝見しました。こういう図面です。まずはその感想から述べれば、客席は約250ほど、天井の高さも6.2メートルを確保、それからホールの音が出入りに漏れないように前室というのがちゃんと設けてあるし、ステージの奥行き8メートル、間口9メートル、それから向かって右側を上手っていうんですけども、上手・下手に約4メートルほどのそでもある、結構なホールだと思います。ただし、音響や照明については資料がここにはありまんから評価のしようもありませんけれども、このホールの工事については、その12月全協、図面は届けていただいたんですけど、私の勘違いでなければ、このホールの運営をどうするのかっていうようなこととか、その方針とかいう部分については説明を受けていなかったように思います。もし説明があったらごめんなさい。改めてということで、どのような体制で運営されるのかを伺いたいと思います。

また、オープンを半年後に控えて着々とその準備は進んでいると思うんですけれども、公営のホールですから、その活用については行政評価の対象ともなりますので、ホールの稼働率を目標値としてどれぐらい設定しているのかを伺います。よろしくお願いします。


○ 議長(山田 栄)坂本市長。


○ 市長(坂本憲男)上出議員の御質問にお答えをいたします。

私の方からは三国祭の保存継承と振興についてお答えし、丸岡総合支所内のホールの活用については、後ほど教育長からお答えをいたします。

御承知のように、県指定無形民俗文化財の三国祭は、北陸三大祭りの1つと言われております。北前船時代の繁栄を今に伝える伝統ある祭りとして、旧町内の34地区28当番区の輪番制で担当し、その年の山車当番区が約1年をかけて山車づくりに励み、地区民が一体となって祭りを盛り上げております。

三国祭は、今さら申し上げるまでもなく、毎年5月19日から3日間にわたって開催されているわけでございます。中日には、この山車巡行が行われており、昨年は平日にもかかわらず、約15万人もの見物客や観光客が訪れたところでございます。

三国祭は、県の無形民俗文化財として指定されており、末永く継承していかなければならない貴重な催事だというふうに考えておりますので、市といたしましては、山車の製作・修繕・山車当番区や三国祭保存振興会に対する資金援助など、いろいろな方面から祭りの継承を支援をいたしておるところでございます。

また、昨年三国神社前の敷地約400平米を市が取得いたしましたので、今後は、街なみ環境整備事業を利用いたしまして、街なみ整備と三国祭の保存・振興を目的とした施設整備を考えているところでございます。

この施設の利用形態等につきましては、三国まちづくり協議会や地元の一の部地区区長会、三国祭保存振興会の方々と協議しながら進めてまいりたいというふうに考えております。

さて、三国祭を観光・文化・教育・行政の中での位置づけと保存継承、振興方策についてという御質問でございますが、観光行政におきましては、多くの見物客や観光客が来訪することにより市内観光へと誘導することができるとともに、経済的波及効果も期待をできることから、重要な観光事業の1つとして、三国祭の保存継承に対して支援をしてまいりたいというふうに考えております。

また、文化・教育行政につきましては、約260年の長きにわたり継承されている祭りでありまして、坂井市の貴重な文化財でもありますので、広報紙、ケーブルテレビなどを通じて、三国地区だけでなく坂井市に住む子どもたちからお年寄りに至るまで、市民が誇れる祭りとして広く周知をしてまいりたいというふうに考えておりますので、御理解をいただきたいと思います。


○ 議長(山田 栄)川元教育長。


○ 教育長(川元利夫)上出議員の高椋公民館文化ホールの活用についてお答えをいたします。

文化ホールにつきましては、これまでに文化協会の代表者及び加盟する団体の代表者を中心にワークショップを開き、丸岡町内の議員さん方のお力もいただきながら、その意見をもとにプロポーザルによる基本設計、そして実施設計を経て現在工事が始まっているわけであります。

文化ホールという名称ではありますが、ハートピア春江やみくに文化未来館のように、専門の音響それから照明技師を配置して運営する本格的な文化ホールではありませんので、管理運営については高椋公民館の職員が行うということであります。

この文化ホールにつきましては250席という客席数しかございませんので、公演などの興行的なことはできません。いわゆる文化協会や公民館の団体や、公民館を利用している市民の方々の身近な発表の場として活用していただくということを考えています。

以上です。


○ 議長(山田 栄)上出議員。


○ 3番(上出純宏)祭りのことについて再質問します。

三国祭は三国の者のお祭りやと思われがちですけれども、毎年5月になりますと、九頭竜川流域の人たちが、田植えの仕事を終えた喜び、そして春になった喜びを分かち合うために三国神社へ目指して集う、子どもから年寄りまで、女性も男性も楽しみに来ていた大イベントであります。

つまり、その昔から、単なるイベントの域を越えて、あるいは市町村の、行政の境界線をも超える坂井平野の人々が共有する文化的財産であったと考えます。

今、坂井市が合併したことによって、より広い地域の共有財産となったんでありますが、かつては九頭竜川っていう生活圏をともにするということから、三国祭に共有意識も持てたかなと思っているんですけども、現在はといえば、やはり三国祭を共有財産とするそういう意識を結びつける根拠といいますか、それが希薄にやはりなりがちということで、単に三国神社の祭りということでしか意識されなくなっていくんではないのかなっていうような、そういう懸念も感じています。

私が思うに、お祭りの運営にあたることは、もちろん三国の者がその軸になるんですけども、市民の方々にもこれを支えていこうという意識を持っていただくようなことも肝要ではないかと思うんです。

それから、その昔は港に豪商がいまして、財政的なスポンサーがおりました。しかし今は、市街地の空洞化、高齢化、少子化というそういう難しいいろんな問題が発生する要因の中で、祭りの継承や保存継承、振興にもいろんな問題が生じてきているのは、皆さんいろんなことで感じておられるところだと思っています。

ということで、官と民で文化的なこの財産を保全して、町の活性化に役立てていくと。昔は民だけでよかったんですけど、もうそういう時代ではないなというなことで、祭り自体の継承、保存、振興に関しては官民一体となって進んでいくことが大切ではないかなと思っております。

それから、今言った町の活性化に役立てるということでいえば、三国を訪れる観光客に坂井市らしさをアピールする材料としては、山車人形のオリジナリティーっていうものは、訪れる方を感動させたり驚かせるのに十分な観光資源だと思っております。

以上のことを十分に含みおいて、文化行政、観光行政、今は子どもたちがふえるとこはふえてきますんで、かなり教育行政にも役に立つこのお祭りを位置づけて、次の時代の振興を図ってほしいと願ってやみません。


次に、ホールのことです。

今ほど教育長さんから、ハートピア春江や文化未来館と異なって地域の人に利用してもらう役割なんだよということでした。私は自分もそういうパフォーマンスをやっていますけれども、実はその興行するしないということはさておいて、プロの劇団、プロのバンドだからこうでなければならないというものでもないし、アマチュアだからこの程度でいいというそういう考え方は、ああいうホールというものの使い方の中では、僕は差別するものではないと思います。プロであろうとアマチュアであろうと、音響の照明も使い方は同じなんですね。つまりは、地域の人たちに利用してもらう、だからこの程度といった発想をとにかく捨てて取り組んでほしいんですわ。

だって、これ見る限りはプロの公演でも十分に通用するホールですし、実際、未来館でのホールの動員数とか200人とか、100人クラスの興行結構あります。だから、あのホールでそういうようなことは十分できます。別にそれをやれって言ってるんじゃないですよ。だから、立派な舞台環境だからこそ手抜きなく演劇や音楽、踊りに取り組むっていう緊張感が生まれて、そこでその文化が向上していく、その隠れた才能が磨かれて、すぐれた人材を育成していくということになると思うんですよ。

そこで提案といいますか、としますと、ぜひともそのみくに文化未来館やら、ハートピア春江にいる専門家にレクチャーを受けて、機材の使いこなしなんかをしてほしいと思います。私の経験からいえば、そういう人たちのマニュアルどおりにやれば、どうしようもなく難しいことじゃないんですよ。簡単に言うと、電源を入れました。その入れていった順番、もとのとおり逆にいけばいいとか、いろんな、そんなにそういう機材を大切にするというようなことで難しいことじゃないんで。こういうものの正しい扱い方を学ばないと、このホールだからこの程度の機材っていっても、その機材さえも壊れてしまう、非常に宝の持ち腐れ、機材の故障率も高いものとなりますので、今オープニングだから、当初だからなおそういうことは肝心なんです。一たんどうやるっていうことをみんなで、使い方とか本当に研究してこうやろうのっていうようなことをやらないと、途中からではそのボタンのかけ違えたのが後まで影響していくことになります。

公民館のスタッフだから、専門家でないんでっていうなことで、利用者の利便を損なうことがないようにしてほしいんです。それは、先ほど言いました福祉センターの例を挙げればよくわかると思うんです。

今、公共施設については、先般も市民に向けて数ある公共施設の説明会を皆さんでやったとこでありますから、つくった以上はそれをどう使うんやっていうなことで、やっぱり稼働率何%にするぐらいの目標値を持たないと、ただ使ってくれるのを待ってる、今の御説明の中では、市民に向けてどういうような使ってもらう努力するとか、そういうような回答はちょっと得られなかったんで、その辺をちょっと、教育長、回答いただけますか。


○ 議長(山田 栄)川元教育長。


○ 教育長(川元利夫)最初に、三国祭の件で。教育行政、それから文化行政の面では、17年に三国祭が三国町の無形文化財の指定を受けました。その後、18年には県の指定を受けたということになります。

したがって、坂井市としても、いわゆる無形文化財の指定を受けたからには、その指定を受けたそれとして、補助金をお渡しして、継承に頑張っていただくという形になると思います。

それで、例えば祭礼で使用する道具とか衣装の修繕とか、あるいは新調するとか、そんなことについてもいろいろ御支援をいただきながら、いつまでもこのすばらしい無形文化財を伝承していくということをお約束していきたいなと考えています。

それから、もう一つは文化ホールの件なんでありますが、もともと丸岡の総合支所を改修するという、しかも4階という議場であったところを改修するということで、いろいろ工夫をして、受け皿そのものがある程度決まってしまっている、大きさとか面積とかいろんなことが決まってしまっている部分の中で、いろいろ工夫をさせていただいたということであります。それで、天井が低いということでありまして、天井をとってかさ上げをして、そしてそれに見合うだけのものをしていきたいということで、今やっているところであります。しかし、いわゆる高椋公民館の1つのホールとしてということにもなるわけであります。

だから、丸岡町内に住んでおられる方々が、合唱をやりたいとか、あるいは演劇をやりたいとか、いろんな発表をしたいとかというときにはそこを使っていただくということでありまして、照明とか音響についても、もちろんある程度のものもあって、今考えているわけでありますが、その指導的立場というのは、坂井市文化振興事業団の職員がしっかりと指導する立場をもちろんわきまえておりまして、しっかりと連携をとりながら、1つの公民館のホールとして最大限に活用できるようなそういうものにしていきたいなって考えています。御期待に添えるものになったらいいな、僕もわくわくしながら、今、待っているところです。


○ 議長(山田 栄)上出議員。


○ 3番(上出純宏)私は、今川節の100年記念イベントにかかわらせていただいて、そのイベントについて、丸岡の声楽の先生やら、いろんな演劇、邦楽のそういうすぐれた方々がおいでになるなということで、このホールの使い方っていうことではそんなに心配していないんです。その先生方はかなり熱い人たちなので、そのパワーに負けそうなぐらいの方々が丸岡地区にたくさんおられますので、そうした方たちの協力を仰いで、その持ってるネットワークを結んでホールに愛着を持ってもらうと、愛着を持っている人をどんどん積み重ねていけば、必然、利用率とか利用する人がふえていくと思います。できれば、やっぱり待ちの姿勢、使ってくれるのを待ってるっていうんじゃなくって、さまざまな企画を積極的にチャレンジする。

三国なんかは、未来館ありますけど、カフェとか、いろんなとこで民間の人がいろんなイベントをやっています。だから、それは民間の人たちが自分がこういうのをやりたいというような表現をする場所みたいなことをいうと、未来館でやっぱりそういう実績を積み重ねて、実際そこを使って、そこで学んだ人たちが、ホールでやらなくても、ちっちゃいところでもできるというような形の中でいろんなイベントをやっていることが町の元気を生んでいる1つの要因ともなっていますので、ぜひこの丸岡のホールも、そんな形の中で運営委員会のようなものを何らかの形でつくって、そして効率のいい、やっぱり目標を持って、こんなぐらいのということを目標立ててぜひ運営していってほしいなと思っているんです。
坂井市の文化レベルがさらに高いものになることを期待して、一般質問を終わります。どうもありがとうございました。

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