2011年7月1日金曜日

平成23年3月議会の一般質問(伊藤聖一議員)

9番(伊藤聖一)9番、伊藤です。



今回私は、適応指導教室と、それからレスパイトについて伺いたいと思います。どちらも余り聞きなれない言葉であり、対象となる方が限られた施策ではありますが、坂井市行政改革のスローガンを、すべての市民の満足度100%を目指してと掲げていることや、このような問題に十分な配慮をすることは坂井市の成熟度を高める上で大切であり、民間では取り組みにくい、まさに自治体が取り組むべき問題ではないかと思っております。


まず最初に、適応指導教室の発展・強化について3点を伺いたいと思います。

まず適応指導教室の設置の目的でありますが、適応指導教室は、不登校児童・生徒の集団生活への適応、情緒の安定、基礎学力の補充、基本的生活習慣の改善等のために、相談、適応指導、学習指導を行うことにより学校復帰を支援し、不登校児童・生徒の社会的自立の手助けをする施設であります。

坂井市内では現在3ケ所の適応指導教室がありますが、今回オアシス春江を拠点化する計画であるようです。計画の内容はどうなっているのか伺いたいと思います。

次に、施設整備の予算がありますが、施設整備も重要でありますけども、指導員の強化はより重要であると思われますが、検討されているのか伺いたいと思います。

3点目が、学生ライフサポーターを利用しているようですが、福井大学との連携により、より高度な取り組み運営が検討できないのか伺いたいと思います。

次に、レスパイト入院について伺いたいと思います。

これは、三国病院の開業医とレスパイト入院への取り組みについて、同じく3点の質問をしたいと思います。

レスパイト入院、簡単に説明させていただきますと、介護の場合は介護施設におけるショートステイのようなものがありますが、在宅の医療においてショートステイのように、病院で短期間の入院をする制度のことであります。

まず坂井地区医師会が、日本のモデル事業として、日本では全国で2ケ所らしいんですが、モデル事業でレスパイト入院の事業化をしているようですが、どのような取り組みになっているのか伺いたいと思います。

2番目に、三国病院ではこの制度に取り組むよう検討されているのか。

3番目に、2年前三国病院のあり方検討委員会がありました。あり方検討委員会では、三国病院は残したいという思い、そのためにも公立病院としての使命・役割を確立するために指摘事項をしております。

その内容の中に、地域開業医、特に三国以外の開業医との連携を求めておりました。その意味合いからも取り組むべき内容と思われますが、どのように考えているのか伺いたいと思います。

以上、よろしくお願いいたします。


○ 議長(山田 栄)坂本市長。


○ 市長(坂本憲男)私の方からは三国病院に関する御質問にお答えし、適応指導教室の質問については、後ほど教育長からお答えをいたします。

まず、三国病院に関する御質問で、坂井地区医師会のモデル事業であるレスパイト入院についてお答えをさせていただきます。

坂井地区医師会では、福井県が進める地域における在宅医療体制の整備に向けて、モデル事業として在宅医療コーディネート事業を平成20年11月から実施をいたしております。
これを、坂井地区在宅ケアネットと名づけて、在宅で医療を希望する人が円滑に訪問診療等が受けられるように、また医療・介護・福祉サービス機関と連携を図り、チームで在宅医療を支えることを目的として、主治医の紹介、相談、医療機関等の調整などを実施してきました。

御質問のレスパイト入院でございますが、今ほど伊藤議員もお話ありましたように、在宅医療で介護をしている家族の身体的・精神的な負担を軽減するために、一時的に短期間入院してもらい、介護する家族に介護の休憩をとってもらうというものでございます。レスパイト入院によって介護している家族も休養することができ、在宅での療養を支える上において重要なシステムであるというふうに言われております。

現在、福井県ではこれからの高齢社会づくりの政策展開のために東京大学と共同研究事業を進めておりますが、この中で、医師、住民、ケアマネジャー、訪問看護ステーション、福祉サービス機関、行政のメンバーが参加をし、ワーキンググループを設置して、坂井地区の在宅ケア将来モデルを検討をいたしておるところでございます。

次に、三国病院でのレスパイト入院の取り組みの現状と、今後の取り組みの考え方についてでございます。

先ほど御説明いたしました坂井地区の在宅ケア将来モデルの研究事業の期間は、平成22年度から平成24年度までとお聞きをいたしております。したがいまして、25年3月には一定の方向性等が示されるものと思いますので、その段階で三国病院におけるレスパイト入院等の取り組みについてを検討していきたいというふうに考えております。

また、これまで三国病院の中に地域医療連携係を置いて地域の開業医や他の医療機関との連携を推進してきましたが、あり方検討委員会で、三国病院が地域医療連携の中核として機能を果たすために地域連携の体制の整備を推進すべきであるとの提言がありましたことから、本年4月より医療・福祉関係などの相談業務などを担当する医療ソーシャルワーカーを配置し、患者や家族の抱える心理的・社会的な不安を解消し支援する体制の整備に努めるとともに、保健・福祉分野を含めた総合的な地域医療連携の充実を図ってまいりたいと考えておりますので、御理解をいただきたいと思います。


○ 議長(山田 栄)川元教育長。


○ 教育長(川元利夫)私の方からは、適応指導教室の発展・強化についての御質問にお答えをいたします。

坂井市では、現在、三国の町内にあるホットルーム、丸岡町内にありますフレッシュ学級、春江町内のオアシス春江の3ケ所の適応指導教室に通う児童・生徒の学習指導や生活指導を行って、早期の学校復帰を支援しています。

平成22年度の坂井市における不登校児童・生徒数は、小学校で15名、中学校では77名と少々増加傾向にあり、個々の児童・生徒に応じた適切な対応が必要となってきています。ちなみに、県内では、小学校では不登校、不登校ぎみで300人、小学生、そして中学生では1,000人を超えている状況であります。

不登校の主な理由は、本人にかかわる問題が最も多く、小学生では親子関係をめぐる問題、家庭の生活環境の急激な変化、そして中学生では友人関係、学業不振と続いております。

その原因・背景は、複雑化、深刻化しておりまして、改善が思うように進んでおらず、長期化する傾向が多くなってきています。特に、保護者自身が抱える問題や家庭環境、経済状況に起因すると思われる傾向が大変ふえてきております。児童・生徒への直接的な対応、支援だけでなく、解決できないケースというものが非常に出てきているということであります。

次に、オアシス春江を拠点化する計画の内容についてお答えをいたします。

不登校傾向の児童・生徒保護者へのかかわりが難しくなってきていることや、訪問指導ができにくいこと、また適応指導教室に通う児童・生徒が少なく、活動が指導員と児童・生徒の個別指導になりがちで、児童・生徒同士の学びの場所になっていないということであります。

そこで、平成23年度、今年の4月からオアシス春江を適応指導教室の拠点教室として運営をしていきたいと考えています。適応指導教室のカリキュラムの柱として、まず個々の状況に応じた学習支援を行います。次に、コミュニケーション能力の育成を図るため、体験学習、共同作業を実施したり、集団生活での規範意識の醸成や社会性、そして協調性の育成も目指していきたいと考えています。

そのため、指導教室の指導員5名、スクールソーシャルワーカー1名、自立支援指導員1名の配置により指導員の複数指導体制を確立しながら、個々の情報をみんなで共有しながら不登校対策にあたり、早期の学校復帰の支援を行っていきたいと考えています。

また、指導員による学校訪問の強化や潜在する不登校児童・生徒への家への家庭訪問指導を充実し、未然防止に努めていきたいと考えています。

なお、現在の三国のホットルーム、丸岡のフレッシュ学級は閉鎖するのではなくて、オアシス春江に通うことができない場合には、指導員がそれぞれのその適応指導教室で対応します。また、将来的には集団生活に適応できるように徐々に支援をしていきたいと、このように考えています。

次に、指導員の強化についてでありますが、すべての指導員が教員免許の資格を有しておりまして、学習指導のできる体制を整えています。また、社会福祉士やカウンセラーの資格を取得しており、児童・生徒、保護者への教育相談等にもきめ細かな対応を行っているところであります。

さらに、教育研究所などの事例研究会や研修会や、そういうところにも積極的に参加していただきまして、自分の指導力向上に努めていただきたいと考えています。

最後に、福井大学との連携についてでありますが、不登校傾向にある児童・生徒の自立を側面的に援助するため、教育委員会では福井大学教育地域科学部との連携によってライフパートナー事業というのを行っています。ライフパートナーです。

このライフパートナー事業は、学生のアルバイト的な位置づけではなくて、将来教員を目指す学生たちの学校教育相談講義を履修した者の実践教育の1つとしてとらえておりまして、学生にとっても有効的な活動の場となっております。

平成22年度では、28名の大学生によるライフパートナーが実施されました。学校や家庭の依頼によって、不登校傾向にある児童・生徒の家庭や在籍する学校を訪問し、支援をしていただいているところであります。

今後とも、1人でも多くの児童・生徒が元気に学校に通えるよう不登校の兆候の早期発見と、そして未然防止の対応に極力努めていきたいと考えています。

以上です。


○ 議長(山田 栄)伊藤議員。


○ 9番(伊藤聖一)まず三国病院のことでちょっとお聞きしたいと思うんですけども、出口局長にお願いをしますが。

あり方検討委員会ができたときに、ちょうど改革プランをつくりなさいというような国の指導があって、いわゆる公立病院が赤字で、どこの病院も大変だということで、黒字化を目指した改革プランを三国病院でも検討したというふうに覚えているんですが。

今年23年度の予算書を見ても、例えばベッド数105床に対して入院の計画では80床と、まだ最初に予定段階から25床ぐらいは残して計画を立てているというのが、今の現状じゃないかなと思うんですね。

そういう意味で、今回たまたま坂井地区の医師会が全国で2例、たしか松戸と坂井地区だと思うんですけども、わざわざ選ばれてそういう在宅医療についての地域ケアの取り組みをするということになったということは大変力強い支援があるんだろうなと思うんですね。公立病院の中には、独自でレスパイト病床をつくるというふうに計画して頑張っている公立病院もあるようでありますけども、そういう意味からも、今、市長はそのモデルの事業期間のいろいろなことを判断しながら取り組んでいきたいというような答弁でありましたけども、そもそも105床に対して80床しか予定が立てられない今の現状を踏まえて、三国病院としてはより積極的にこの計画を検討していくことが重要でないかなというふうに思いますし、そのレスパイト入院というのは、地域の開業医の方との連携がないとできない事業でもありますし、それこそまさにあり方検討委員会で地域との連携を強化してほしいというそういう趣旨にも沿うものだと思うんですね。ぜひその辺、導入に向けて、三国病院としては取り組んでいただきたいんですが、局長としてはどういうふうにこの問題について考えていらっしゃるんでしょうか。


○ 議長(山田 栄)出口三国病院事務局長。


○ 三国病院事務局長(出口則雄)伊藤議員さんの御質問でございますけども、今現在80床というような目標になってございます。これは、看護師不足の関係で、今、看護師、80床までが10対1で確保できるようなパターンでございます。180床を超えますと、10対1が困難ということが1つございます。

それから、レスパイト入院でございますけれども、福井県には、レスパイト入院に関する事業といたしまして、重症難病患者一時入院支援事業というのがございます。この事業につきましては、いわゆる難病の患者さんにつきまして、1日最高限度額1万7,000円ですか、それから1年間の利用日数が14日以内を限度とした補助制度がございます。これにつきましてがございまして、これは平成19年度からございます。三国病院に1名この難病患者がいらっしゃいます。三国病院がかかわっている患者さんでございます。この患者さんにつきましては、昨年度入院された経験はございますが、患者さんの御家族から、この介護入院を利用とした申し出はございません。利用できる状況にはございまして、三国病院としては受ける準備はできてございますけども、今のところございませんということでございます。

したがいまして、レスパイト入院につきましては、治療をほとんど行わないで、介護目的ということで、制約が1つ国の方の中でつくられてございます。そういった関係がありまして、三国病院として、かかわってきています患者さんにつきましてはレスパイト入院は可能かというふうに考えてございます。

しかしながら、難病患者でございますので治療方針も確定していないとか、いろんな問題がございます。ここでのかかわっていない患者さんまでを受け入れることは、現状としてはちょっと難しいかなというふうに考えてございます。

それから、こういうそれ以外の難病患者さん以外のレスパイト入院につきましてのいろいろ要望がございます。しかし、これに関しては、単なる介護入院につきましては、今のところ受け入れが困難かなというふうに考えてございます。今後、県レベルでの検討会の方向性が県から出てきた段階
ざいます。

以上でございます。


○ 議長(山田 栄)伊藤議員。


○ 9番(伊藤聖一)わかりました。

次、適応指導教室についてですが、政策監にちょっとお聞きをしたいんですが、確認させていただきたいんですけども。

今ほど教育長の方から、オアシス春江の指導員についていろいろと説明いただいて、非常に人員としてのいい体制をとっていただけるのかなというふうには思うんですが。政策監、私聞いた話ですけど、指導員の先生は臨時職員ですよね、恐らく。それはそれでいいんです。ただ、この臨時職員の方の給料が時給ということを聞いているんですね。その辺は、政策監はご存じですか。


○ 議長(山田 栄)副角政策監。


○ 政策監兼総務部長(副角利幸)今の件に関しまして、具体的にはまだ私は存じておりません。


○ 議長(山田 栄)伊藤議員。


○ 9番(伊藤聖一)教育長、お尋ねしますけども、指導員の先生が1日じゅう常勤でいる場合に、非常にロスがあるとか、そういうことがあるのかもしれませんけども、時給ということになりますと、時間をある程度絞って指導にあたってもらう、その分の給料を払うということになるのかなという気がするんですけども。フルタイムでいろんな勉強したりとか準備をしたりとかっていうことが本当は必要じゃないかなと思うんですけども、この時給でこの指導員の先生方をね、もしもそれが事実であるとすると、それが本当に合理的な方策だというふうに考えられますか。


○ 議長(山田 栄)渡邊教育次長。


○ 教育委員会事務局次長兼教育総務課長(渡邊眞吾)適応指導教室の指導員の賃金体系ですが、合併当初三町の賃金体系に差がありまして、月額で措置されているところ、あるいは時給で措置されている人々もありまして、指導員の活動時間というのは、適応指導教室の開設している時間だけがその活動時間ではない。それから、毎日勤務している、そういった指導員も、中には週3日とか、そういった勤務体系の指導員さんもいらっしゃいます。勤務内容とか勤務時間の体系等がいろいろ違う中で、その勤務に応じた賃金の支払いをすべきだということで、やはり夜の相談とか、そういったこともありますので、勤務時間に合わせた賃金体系にしようということで、指導員さんとも協議をして時給対応というふうにさせていただきました。

今後、適応指導教室の拠点化をするということで、その辺の賃金体系については、その実態に即して再度検討をする必要があるかなというふうには感じております。


○ 議長(山田 栄)伊藤議員。


○ 9番(伊藤聖一)これで終わりたいと思うんですが、坂本坂井市長は、割とこういう細かいところにいろいろと気を遣っていただいてて、なかなか言えないようなことも、我々が知らないところでも気遣いいただいている方ですので、恐らく今私が質問した2点、こういう問題についても十分配慮していただけるというふうに思っておりますので、教育長もよろしくお願いをしたいと思います。

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