2013年10月7日月曜日

平成25年6月定例会 一般質問 ― 上出純宏議員

 
3番(上出純宏)
 
皆さん、おはようございます。
3番、新政会の上出純宏でございます。
 
通告に従って、一般質問を行います。
去る5月9日に、マイナンバー制度の関連法が国会で成立をいたしました。
 
これまでの議論の経過を考えると、ここへ来て意外にすんなりという感じを僕は受けていますが、この制度の導入が再検討されるきっかけは2007年の年金記録問題であり、2011年の社会保障・税一体改革の実現のため、つまりは、行財政改革の推進であったかと思います。
 
行財政改革は、国・県、各市町村、それぞれで組織の改編に始まり、補助金の見直し、それから使用料の見直し、人件費の削減、事業の精査、そして仕分けと、あの手この手と本当に知恵を絞って成果を上げてきているところでございますが、ここに来て次の一手が必要になってきたのは事実だと思います。
 
このマイナンバー制度によりまして、個人情報がネットワークで結ばれて、そこの基本となるデータが根本的に変わるわけですから、これまでの情報システムを全て改めなければならないという、そういう意味で、行財政改革の切り札という感じがします。
 
しかし、これにあわせて、プログラムの変更には相当な経費もかかるでしょう。
IT企業が色めき立っているのはその市場規模の大きさで、1,700強に上る自治体システムの改修やネットワーク接続、あるいはスマートフォン、高機能携帯電話などによる住民サービス提供といった機能拡大まで含めれば1兆円をゆうに超える市場が見えてくるようなことが、報道あるいは調査・研究機関の方で報告がされているところでございます。

さて、実際の施行は、2年半後、平成28年の1月に番号の利用が開始される運びとなっております。
 
ということで、このマイナンバー制度の利用にはまだ時間はありますが、その間に、さまざまな事例研究やら、マニュアル化の準備が必要だと思います。
 
今回の一般質問では、政策の提案ではございません。
留意を促すものになりますが。市長には、このマイナンバー制度が成立したことを受けまして、情報管理の現況と、それからマイナンバー制度化での情報管理では、どのような違いがあり、変化や対応が迫られると考えますか、またそのためにはどのような対応が必要でしょうか、市長の所見を伺います。
 
○ 議長(釣部勝義)坂本市長。
 
○ 市長(坂本憲男)
 
上出議員の御質問にお答えをいたします。
マイナンバー制度に伴う情報管理についてという御質問でございますが、議員言われるとおり、去る5月24日に「行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律」、いわゆるマイナンバー法が国会で可決・成立をしまして、28年1月からシステムの運用が開始されることになったわけでございます。
国がマイナンバー制度を導入する趣旨は、複数の行政機関に存在する個人の情報を同一人の情報であるということの確認を容易に行うことができ、また社会保障・税制度の効率性や透明性を高めていくとともに、国民にとって利便性の高い公平・公正な社会を実現するための社会基盤とすることであります。
 
マイナンバー制度の導入によりまして、多岐にわたり市民の利便性が向上していくとともに、市役所業務の効率化が図られることを期待をするものでございます。
情報のセキュリティーに関しましては、基本的に大きな対応の変化はないものというふうに考えているわけでございますが、現在の住基ネットシステムも、住民基本台帳ネットワークシステム管理規定により、セキュリティーポリシーを遵守し、職員全員が、市民の個人情報の取り扱いについては、意識を持って厳重に情報管理を行っているところでございます。
さきの担当者会議における内閣府からの説明によりますと、懸念される個人情報の流出については、国に情報提供ネットワークシステム及び情報照会・提供機関を監視また監督する特定個人情報保護委員会を設置して、システムの安全管理と、個人情報の適正な取り扱いに必要な措置を講じるとのことでございます。
 
市の今後の対応としましては、マイナンバー制度の実施に向けた庁内検討委員会などを設置し、関係部局の連携を図っていきたいというふうに考えております。

なお、情報の管理につきましては、今までと同様に、厳重に取り扱うことが必要であるため、マイナンバー制度に対する国からの情報というものを正確に入手して、適切なセキュリティー対策を講じて情報管理を行っていくことが大変重要であるというふうに考えております。
 
また、議員御指摘のとおり、マイナンバー制度移行に伴う個人情報の取り扱いについては大変重要であるというふうに認識をいたしておりますので、今後の国の動向に基づいて、計画的に全庁体制で適正な情報管理に努めてまいりたいというふうに考えておりますので、御理解をいただきたいと思います。
 
○ 議長(釣部勝義)上出議員。
 
○ 3番(上出純宏)
それでは、再質問をいたします。
国の制度の変更とはいえ、地方自治体においても、行財政事務に大きな変革をもたらすマイナンバー制度だと重く受けとめて考えています。
地方自治体には、それぞれの地域に対応した特別な制度がありますが、せっかくなら、マイナンバー制度の変革をきっかけに、それらもあわせて変えていくことも必要だという、そういう意味でこの質問をしているんですけども。
各職掌が連携して、マイナンバー制度の実務に関する研究会を立ち上げられたいと、今、市長がおっしゃったことは、まさに的を射ていることだと思います。

そこで、総務部長に伺いますが、このマイナンバー制度におきまして僕が一番留意をお願いしたいことがありまして。僕も、元市の職員として、今、市長おっしゃったように、パソコンの情報の流出に関しましてのセキュリティーマニュアルがどのようなものかということは身をもって体験しておりますし、市民の個人情報が流出し、これが違法に活用されてしまわないように心がけてきたものですが、これがなかなか神経を使いました。
マイナンバー制度においては、今まで以上に重要な情報管理が求められるのではないかなと推測するわけでございます。
例えば、単純な打ち込みのミスが市民の財産管理にとんでもない事態につながるとか、今、評判になっていますなりすましの被害、これが訴訟問題につながるということも考えられますし、あってはならないことですけども、職員が不法に利用する場合も想定はできるわけです。
想定外というような言葉を使わないように、この研究会はかなりしっかり研究してもらいたいなと思っているところですけれども。
例えば、韓国では、これは、平成28年1月は、あくまで官が利用するというとこで、民間の利用はまだ届かないところでございます。
 
例えば、マイポータルといいまして、各自分のところから役所の方に問い合わせて、その自分の税金いくら払ってるんかなとか、いろんなことを知るという、各役所の方から送るだけじゃなくって、各個人から役所の方にいくということとか出てきますと、その間のところで、いろんな問題が生じる可能性も懸念されているところです。

韓国では不正アクセスによる番号の流出や盗用による被害が多発していますし、アメリカでも社会保障番号の不正取得によるなりすましの犯罪が5兆円に上ったという政府の調査もあるぐらいでございます。
 
いずれにしても、両国は、個人番号の収集や利用を制限する方向に政策を転換しているところもあるということを聞いております。
 
それがゆえに、個人情報のセキュリティーに関してこれまで以上に職員の意識が萎縮して、過剰な対応を、市民が困惑するようなことも起きるのではないかなと考えてしまうわけです。
研究会でマニュアルづくりに励んだ職員は、かなりその問題を自覚して、各職場の末端の職員の方々もやはりそのマイナンバー制度を十分理解するとともに、業務のマニュアル作成においては、市民サービスの低下、これが一番、つっけんどんな対応とか、接客も含めて、そういうことを検討してもらいたいなと思っているわけですけども、総務部長はどのように考えますか。
 
○ 議長(釣部勝義)新開総務部長。
 
○ 総務部長(新開和典)
 
上出議員の御質問にお答えをいたします。

今、お話ありましたように、特に市町村にとって大きな影響を及ぼす制度の導入になってきておりますために、さきの6月5日、全国市長会の方でも国に対する要請を行っております。

特に、社会保障・税番号制度の円滑導入のための自治体支援については、大きく3点に絞って要請をしております。
 
まず1点目でございますが、この制度は全ての国民が対象となるということでございまして、導入にあたって混乱が生じることのないように、国が責任を持って十分な周知を行ってほしいという点。
2点目としまして、この制度の導入や運営等に関しまして、自治体に対し新たに生じる費用については、その全てにおいて、国において万全の財政措置を講じてほしいという点。
3点目としまして、制度の円滑な導入と安定した運用のため、システムの仕様やマニュアル等を早期に地方自治体に示してほしいと。あわせて、新制度導入に伴って必要となる既存システムの改修等についても、支障が生じないような必要な情報等を提供してほしいということを要請しております。

今、議員御質問ありました、特にこの制度導入に対しての準備といいますか、その辺も、国の方で、今、研究会が発足既にしておりまして、地方公共団体における番号制度を活用した事務の改善等の具体的な取り組み例や、その際の留意点などを明らかにし、地方公共団体が番号制度の導入及び活用にあたってのガイドラインを作成するという目標を立てまして、主な検討事項としては、この番号制度の活用、2点目にシステム面での対応や業務フロー改善等に対する具体的な対応、それから番号制度の導入に対応した個人情報保護のあり方について、それから地方公共団体における準備の進め方といった、大きくその4つの項目検討を挙げておりまして、今、具体的な内容について詰めているといったことを聞いております。
現在、坂井市において情報管理あるいは個人情報保護に対してどんな体制をとっているかと概略申し上げますと、副市長を本部長にいたしまして、最高情報統括責任者という職を設けております。
片方では、情報化推進のための委員会を設けまして、今般、第2次の情報化推進計画を策定いたしましたが、特に市民サービス向上に向けたどんな取り組みができるかということを、この番号制度導入にあわせて検討していくというものが1つの柱になりますし、もう1点は、情報セキュリティー対策のための体制ということで、各部局ごとに情報セキュリティー担当者を置いた、そういった管理体制をひいてるというような組織になっております。
特に、情報セキュリティーに関しましては、職員一人一人が毎年セキュリティー管理に関する自己点検を行っておりますし、システム管理については、システム内部監査を定期的に行いまして、その辺の体制を確認しているといったような状況にございます。
今後、この番号制度の導入にあたって、その辺の充実、それから市民サービスの向上につながるように十分検討してまいりたいと考えております。
 
○ 議長(釣部勝義)上出議員。
 
○ 3番(上出純宏)
マイナンバー制度は、行政コストの、長い意味で効率化にかなり役立ちますが、各職員の実務においてはかなり手ごわいぞと思います。
時間ありますので、細部にわたってシミュレーションしていただきまして、適切な対応を努めていただきたいと思います。

また、今後、市の取り組みについては注視してまいりますので、その時々で進捗を議会に御報告いただきたいと要望いたしまして、私の一般質問を終わります。

0 件のコメント:

コメントを投稿