2011年12月9日金曜日

平成23年9月議会一般質問(上出純宏議員)

3番(上出純宏)

皆さん、おはようございます。新政会の上出純宏でございます。



通告に従いまして、一般質問を行います。


 平成19年から5年間にわたって取り組んでまいりましたみなと振興交付金事業、坂井市が取り組んできた分としては、港湾に係る整備改良を行う基幹事業に約9,000万円弱、その計画の目的を達するために有効な提案事業として1億5,000万円強、合計2億4,000万円弱の事業費、なおこのうち、国から補助金として1億円強を受けております。

 また、県の方では5億7,000万円ほどの事業をやっているところでございますが、一部の事業を残しまして事業完了ということになります。もとより、この事業の大きな目的というのは、港の環境インフラを整備することではなく、その事業名にありますように、未来にわたって海に面する坂井市の港にかかわる多様な産業の振興と、そこにある生活の潤い、もっと大きく言えば、坂井市の産業の活性化を目的とするものであります。

 その目的を達成するための手段として、この5年間のハード及びソフト面について、各方面に相談しながら、またさまざまな知恵を出し合って事業を行っているところでございます。

 この補助事業が完了することによって、港の振興に対する対策も終わるようではいけないと思います。せっかくの設備投資、ソフト事業による市民の意識向上という成果を生かすため、次なる手だてをつなげてこそ、これまでの5年間の事業が意味を持つものだと考えます。

 つきましては、市長には、次の一手としてどのような政策を計画されているのかを伺います。

 次に、教育長に御見解を求めます。

 みなと振興交付金事業のうち、坂井市の提案のソフト事業として実施してまいりました学習支援船運行事業、これは予想以上に教育効果が大きいものであったと私は評価するところでございます。この事業は、一般対象と児童対象の事業に分かれています。市民が、ふるさとの自然と歴史を実体験できる貴重な機会でした。私は、来年以降、児童対象とする部分だけでも、ふるさと教育の一環として単独事業として教育部局で継続されてはいかがかなと思っておりますので、教育長にはどうお考えなのか、お考えを聞かせていただきたいと思います。

 これをもって、最初の質問とします。


○ 議長(広瀬潤一) 坂本市長。



○ 市長(坂本憲男)

おはようございます。上出議員の御質問にお答えをいたします。

 みなと振興交付金事業を生かすための次なる政策に関する御質問にお答えをさせていただきます。

 みなと振興交付金につきましては、地域の知恵と工夫を凝らし、みなとの振興を通して地域の活性化を図る港湾所在市町村等の取り組みを支援するために、平成19年度に創設された制度でございます。

 坂井市におきましては、この事業にいち早く取り組むため、平成19年度に福井県と連名で計画書を提出し、事業採択を受けました。この事業は5ケ年事業でありまして、平成23年度が最終事業年度となっております。

 これまで、みなと振興交付金事業として、坂井市では、えちぜん鉄道三国港駅の改修、遊歩道の整備、学習支援船の運航などに取り組んできました。なお、本年度は、九頭竜川右岸の防潮堤の美装化及び今回の9月補正予算で計上いたしました三国サンセットビーチ緑地内の休憩所整備に取り組む予定となっております。

 また、福井県におきましては、下真砂物揚げ場の改修、三国サンセットビーチ緑地帯の改修などに取り組んでいるところでありまして、三国港地区の観光地としての魅力アップに大きな成果を上げているものと考えております。

 なお、この交付金事業につきましては、交付金に見合う事業費が5ケ年で執行できない場合は、次年度以降で事業執行する必要があるとされていることから、平成23年度の事業実績によっては、平成24年度以降もみなと振興交付金事業に取り組む必要が生じることも考えられます。

 そうした中で、御質問の事業完了後のみなと振興施策についてでございますが、当然、市としても、引き続き港湾の振興に取り組んでいく必要があるというふうに考えております。

 湊町地区につきましては、江戸時代から北前船の寄港地として栄えた三国湊街なみ景観の形成を図るため、街なみ環境整備事業などに取り組み、観光地としての湊町地区の活性化と魅力アップづくりに引き続き鋭意取り組んでまいりたいと考えております。

 なお、地域の活性化を図るためには、何といっても地元の方々の協力及び取り組みというものが大変重要であるというふうに考えております。昨年からは、「三国湊帯のまち流し」などの取り組みも始められ、住民主体による湊町地区の活性化の機運が高まってきているものと感じておりまして、このような取り組みがさらに地域の魅力アップにつながっていくものと期待をするところでございます。

 また、福井港本港地区につきましては、福井港の重要港湾への格付変更や整備促進に関する要望を引き続き行っていくとともに、県とタイアップしながら、ポートセールスの展開、クルーズ客船の誘致、福井港・丸岡インター連絡道路の早期着工の要請など各種課題に取り組んでまいりたいというふうに考えておりますので、御理解いただきたいと思います。


○ 議長(広瀬潤一)川元教育長。


○ 教育長(川元利夫)

議員の皆さん、おはようございます。私の方からは、学習支援船運行事業についてお答えをいたします。

 坂井市では、北前船立寄港の面影を今に残す、三国湊の歴史文化をよりよく知り、地域への愛着と誇りを高めることを目的に、三国湊の歴史文化学習会事業を実施しております。坂井市内の全小学校を対象に、社会学習の一環として、みくに龍翔館の見学の後、学習支援船を用いて九頭竜川や海側から町並みを眺め、北前船交易や三国湊の発展、また国指定重要文化財である三国港突堤の成り立ちなどを学ぶもので、これに学習支援船運行事業を活用させていただいているところであります。

 平成22年度では、市内19小学校のうち17校、901名の児童が事業に参加しており、議員御指摘のとおり、教育的効果は大きなものがあると認識をしております。

 来年度におきましても、みなと振興交付金事業が継続されると聞いておりますので、引き続き学習支援船運行事業に取り組んでいきたいと考えています。

 また、県独自の補助事業で子ども船乗り体験事業があります。

 これは、里海での船乗り・漁業見学等を通して海の自然環境や地層観察などを学ぶ体験学習を目的に、県の持っている船とか漁船などを利用して船乗り体験を実施し、乗船に必要な経費が補助されています。

 坂井市でも、この補助事業を利用いたしまして、平成22年度では4校が福良の浜にて地層見学をし、東尋坊の遊覧船にて海岸構造や地層構造を学習いたしました。この平成23年度は11校が参加する予定であります。

 今後も、県などの事業を有効に活用いたしまして教育の充実を図っていきたいと思いますので、御理解をいただきたいと思います。

 以上です。


○ 議長(広瀬潤一) 上出議員。


○ 3番(上出純宏)

どうもありがとうございます。

 市長の御答弁の中に連絡道路という言葉が入ったということで、非常に安心っていいますか、広くその事業をとらえておられるなということで感じました。ちょっと方向を変えまして、産業経済部長にちょっと伺いたいんですけども、この5年間の整備、目に見えるところでは、例えば港駅の駅舎周辺のあの整備は、前は電車からおりると河口が全く見えなかったんですけど、今、おりた前のところを整備したもんですから、川も見えて、終着駅らしい雰囲気とか、そういうのが整備されてよかったなと個人的には思っておるんですけども、そういう整備を通じて、何か観光あるいは産業、いろんなことで目に見えるような効果的なことっていうのはどういうことを感じておられますか、お願いします。


○ 議長(広瀬潤一)黒川産業経済部長。


○ 産業経済部長(黒川規夫)

今ほど、みなと振興交付金事業につきましては、19年から23年度まで、また24年度においてもそういった事業をやっていくという中で、これまで九頭竜川の護岸沿いの遊歩道整備あるいは学習支援、今ほど説明がありました遊船の運航、また三国港の駅舎の改修といったようなことで、そういった施設の整備を図ってきたところでございます。施設の整備あるいは利便性の向上を図ったことによりまして、地域の景観向上とイメージアップにつながっているというふうに考えております。

 また、三国港の町並みあるいは国指定重要文化財であります三国の突堤、そういったものと、また名勝東尋坊、あるいはクルージング等を通して観光客の三国港への歴史・文化・成り立ちに触れていただいていると思っております。観光客の人数がどれだけふえたかっていう数字は、まだ事業の整備段階でございまして、なかなか把握することは難しいんですが、三国港の港駅ですね、三国港駅の乗降客につきましては改修前よりもふえているというふうに思っております。今年度サンセットビーチのリニューアルが完成すれば、より一層観光客が楽しめる導線が整備をされるものと思っておりますので、三国港町の魅力のアップと地域のにぎわいの創出に今後とも進むのではないかなというふうに、私どもとしましても期待をしているところでございます。


○ 議長(広瀬潤一)上出議員。


○ 3番(上出純宏)

ありがとうございます。ぜひとも。海に面して漁港と工業港という、近辺では恵まれた産業環境を抱える自治体としまして、その地理的、それから産業的、そして文化的なアドバンテージ、つまり優位性を生かした活性策を具体的に企画、促進していただけたらと考えておりますので、今後ともよろしくお願いいたします。

 次に、教育長の見解をお聞きしまして、県の船乗り体験事業、それちょっと知らなかったもので、いいことしてるなということを思いましたし、きのう、田中議員の方で郷土史のことについてのいろんな説明の中で、教育長がふるさと教育の重要性をしっかりと理解されているということにまずもって敬意を表したいと思います。

 昨年の秋のことですけど、私、それから佐藤議員、それから古屋議員、南北議員の1回目の議員が、その支援船の船に乗りました。非常に波が高くて、こんで大丈夫かなというようなことだったんですけども、私はこれまで何遍か乗っているんですけども、各議員はそういう経験もないということで、そういう学習している子どもたちの表情とか、先生方の態度、それからいろんなボランティアガイドの方々のことなど、4人で見た後いろんな話し合いなんかをしました。それを見て大いに我々も学ぶところがあったのですけども、ただ景色を眺めるだけでなく、川に流れるごみ、これを見ることで環境に対する問題意識が子どもたちの中に芽生えたと思います。ガイドの方も、突堤のところにたまっている発泡スチロールとか、空き缶とか、大木とか、結構そういうのが目について、やっぱりそういうのは教室にいては感じられないと思うんです。やっぱり目の当たりにすることでしか体験できないことがあります。それから、係留されている船ですね、漁船。これなんかはもう大きい船から小さい船までたくさん種類がありますので、そういうものも、実際、河口に並んでるのを見て、あの船、どうやって魚とるんやとか、そういうようなことで、あれは一本釣りで、こっちは底曳き、底曳きっていうのはこういうことなんやよっていうことで、産業的な理解といいますか、具体的にそういうことも学べるなと。つまり、この支援船は非常に多角的な学習のできる貴重な機会だと感じたところです。もちろん船酔いする子どももいますけど、これもまた乗らないと体験できないことなので、船に乗ってもう乗りたくないわっていうのも1つの体験だと思います。何をするより、高い波をぐっと押しのけていったときの子どもたち、あの興奮の仕方っていいますか、やはり生涯に一度は船に、坂井市の、今、4年生でしたか、4年と一部3年ですけど、一度は船に乗った。つまり、その3年、4年、5年、6年のところは、我々の記憶をさかのぼりましても、一番昔のこととして、ようわからんけど船に乗って物を買ったなとか、そういうことが印象的に残っているもんだと思います。せっかく海に面していて、船に乗らないという手はないと思いますので、そういう面では、この事業について、海があって、川があって、平野があって、里山があって、遠くに白山を臨むという、ふるさとの坂井の地理的なこの感覚を身をもって体験するという、そういうふるさと教育を推進する上では、船に乗る学習は不可欠なことじゃないかなと確信を抱きました。

 ちなみに平成20年のことですけど、ふるさとへの思いという作文集を市内の小中学生にお願いして製作したことがありました。これを取り扱った方々に、その内容についてちょっと耳にしたのは、合併直後に、合い言葉として、市長の方から「地域の融合」っていう言葉があったと思いますけど、船に乗ったのは平成19年ですから、丸岡や春江の子どもたちが、その東尋坊や九頭竜川を我がふるさとというような感覚で、坂井市の宝というようなことを書いてあることに感動したとか、あるいはみくに龍翔館が実施しています「ふるさと坂井を描こう展」というのがあるんですけども、これは平成20年以降、それまでは三国の子は海をかいて、丸岡の子は丸岡城とかをかいてたんですけど、やっぱりこの支援船の後、いろんな地域の人たちが、その海やら川やら三国の町並みやら、三国の子はもちろん丸岡とか竹田とか行く機会もあるので、それをかくようになりました。そういうような、いわゆる市長がおっしゃった融合というようなことの理解を深める意味では、非常に事業の成果があるもんだと思います。この事業が、ふるさと坂井への郷土愛を高めるものとして有効だと思いますので、今後とも継続されることを望みます。このアンケートを見ますと、三国の方だけじゃなく、丸岡や竹田の方のそういうようなこともあってほしいというような、アンケートもちょっと見せてもらったら、そういう意見もあったこともつけ加えて、私の一般質問を終わります。

0 件のコメント:

コメントを投稿