2012年12月13日木曜日

平成24年6月定例会一般質問―上出純宏議員

3番、新政会の上出純宏でございます。

通告に従って、一般質問を行います。


先日、左目の白内障の手術をいたしました。数日前ですけど、眼帯を外しましたら、何とも明るい光が差し込みまして、坂井市は豊かに光が注いでいるいい町だなと感じたところでございます。私はさらに坂井市に光が満ちて住みよい町になるように議員活動また励んでいきたいなと思っているところでございます。

さて、私は去る4月1日から施行された坂井市まちづくり基本条例にかかわる今後の対応について質問をいたします。

坂井市まちづくり基本条例は、平成21年4月、条例を考える市民会議の選考を端緒として素案づくりがスタートしました。平成22年5月以降、私が所属しました総務常任委員会に素案が上げられまして、委員会においてこの細部についての議論をかわしたところでございます。そして、1年後、平成23年5月にパブリックコメントを求め、この平成23年12月の議会におきまして議決と相成りました。約2年をかけて慎重を期して条例を制定したわけですけども、これはこの条文の中にも最高規範と位置づけておりますので、当然これぐらいの議論をして定めるべきことというようなことでございます。とすれば、この条例につきまして、市民の皆様がその意を理解することは非常に重要なことだと思います。条例の前文に「これからのまちづくりの主役は市民です。市民一人一人がみずからの責任と役割を自覚し、相互に協力するとともに・・」とあります。市民一人一人がみずからの責任と役割を自覚するためには、この条例の特に第6条の市民の権利や第7条に明文化している市民の責務という条項などについては深く理解するところから始まると思います。

この条例が12月の議会で議決しました後、市民にはどのような形で目に触れたのかと申しますと、「広報さかい」の2月号に8ページから11ページまで4ページを使って解説が行われています。ただし、条項の全部ではありません。また、今、ホームページを開きますと、そのホームページでその条項を全部見られます。とはいえ、これだけで市民の理解するところとなっているのかというところについて、少々疑問を持つわけです。ほとんどの市民の方々、パソコンをお持ちで、坂井市のホームページをのぞく人たちは本当に限られていると思いますし、イベントの案内やおもしろかったというような形と同じような形で1回こっきり広報さかいに載せただけでは、やはり市民の方々は行政にかかわるもの以外、この条例の存在を知らないんじゃないかなと思います。つきましては、この条例が施行して以降、今後、行政側として市民の皆様にこの条例の条項を理解し、含んでもらうためにどのようなアクションを考えているのかをお答えいただきたいと思います。また、各部署においては、それぞれ市民の声を聞き取るシステムを持っていると思います。この条例が施行されたことにより、そのシステムが坂井市の政策や事業の決定に果たす役割は重要なものとなってくると思います。各部署において執務のあり方にこの条例の影響はあるでしょうか。この2点について一般質問といたします。よろしく回答をお願いします。


議長(釣部勝義)市長。


市長(坂本憲男)


上出議員のまちづくり基本条例の市民への浸透について

の御質問にお答えをいたします。

地方分権の進展により、自治体では個性豊かで活力に満ちた地域社会の実現を目指し、自己決定、自己責任に基づいた地域の特色を生かしたまちづくりが進められております。

また、社会環境の変化により、行政サービスに対するニーズや地域のニーズはますます多様化をしておりまして、このような課題に対応することができる地域力と共助の精神に基づく「地域のきずな」を強化し、魅力と活力のある町を実現するためには、市民の皆さんの意思と参加に基づき、市民の皆さんと市がともに知恵と力を出し合って協働のまちづくりを推進していくことが大変重要となってきております。

本年4月に施行されました坂井市まちづくり基本条例は、坂井市のまちづくりを推進するための基本理念や基本原則を定めたものであります。

議会や市の役割と責任はもとより、市民の皆さんの権利やまた役割についても明らかにし、まちづくりへの参画と協働を推進するための仕組みや行政運営のあり方を示しており、坂井市で暮らし、働き、また学ぶことに魅力と誇りを感じていただけるようなまちの実現を目指していくものでございます。

まず、市民に向けて条例の浸透にどのような手当てをとりますかについての御質問でございますが、これからのまちづくりの主役は、今、上出議員もおっしゃいましたように、当然ですが市民であります。市民一人一人がみずからの責任と役割というものを自覚し、相互に協力するとともに、心を大切にした「支え合うまち」となるよう、市民と市の協働を推進し、人それぞれが夢を描き、それを実現できるまちを創造していかなければならないというふうに思います。

そのためには、上出議員の言われていますように、市民に坂井市まちづくり基本条例の趣旨また目的等を理解していただき、協働のまちづくりに参加していただくことは重要なことであるというふうに考えております。

周知の手段でございますが、市のホームページやまた広報紙がございます。市のホームページにおきましては、平成21年から坂井市まちづくり条例を考える市民会議の検討内容を継続的に掲載し、本年4月には条例が施行されたことをお知らせしてまいりました。一方、広報紙では本年1月号にて4ページを使用して、4月からの施行を前に市民の皆さんに条例の内容を詳しく紹介し周知を図ってきたところでございます。

坂井市まちづくり基本条例は、これからの坂井市をつくる上で最も基本的な重要なルールを明記したものであると思います。

今後も、ホームページ、広報紙で継続的に周知、浸透を図るとともに、会議や会合等においても周知を行い、理解を深めてまいりたいと思います。

次に、市役所の各部署においては、条例の施行により執務内容に変化はありますかについての御質問でございますが、坂井市まちづくり基本条例は、これからのまちづくりの主役を市民と位置づけ、市民一人一人がみずからの責任と役割というものを自覚し、市民と市の協働を推進し、誇りある愛着の持てるまちをつくるために制定されました。

坂井市では、平成18年3月の四町合併以来、市民との協働のまちづくりを推進してまいりました。住民主体のまちづくりの姿勢は、これまでも、そしてこれからも変わらず、市民と市との協働のまちづくりを推進し、自治の進展を図り、もって個性豊かで活力のある地域社会の実現を目指してまいりたいというふうに考えております。

坂井市まちづくり基本条例第14条では、職員はまちづくりの主体は市民であることを踏まえ、法令を遵守し、積極的にまちづくりに参加し、意識的に専門的な知識を取得するよう職員の責務を定めています。

職員におきましては、より市民目線での行政運営を推進するため、積極的に地域活動に参加するよう促しているところであります。市民との協働によるまちづくりを推進するためには、職員も含め市民一人一人が地域の一員としてそれぞれの役割というものを分担していきながら、地域活動に取り組んでいくことが何よりも重要であると考えているところでございます。


議長(釣部勝義)上出議員。


3番(上出純宏)


今ほどの市長の回答の中では、広報などでというような形の御発言でございましたけれども、これを制定する前に、やはりいろんな全国のまちづくり条例を制定している、既に制定したところを視察等参りまして、制定後のことを実は調査させてもらった中で、やはり鳴門市などでは、制定後こそ市民にこの条例を理解してもらう、なかなか内容が観念的なものですから、市民に親しみにくい条例、そういう性格のものなので、コンピューターでスライドショーみたいな形のものをつくって、約15分ぐらいのこの条例を理解するための1つのメニューをつくって、そして出前の講座、例えば婦人会の会合あるとか、いろんなところへ、そのまちづくりの担当の部署がそれを持っていって、市民の方にわかりやすく説明をするというようなことをやっております。それと、もう一つは、職員対象の説明研修会も開いております。やはり、各条文の中に出てくる文言はかなりかたい内容でございますから、これをかみ砕くということをわかってもらうための1つの説明、それを市民の方にわかってもらうような形でやっていく必要があるのではないかなと思いますけれども、総務部長、その点どうでしょうか。


議長(釣部勝義)総務部長。


総務部長(五十嵐英之)


今ほどの上出議員さんの御意見ということでございますけれども、この条例が施行されたのは今年の4月1日からです。これを普及するために、今ほどおっしゃられたようなプレゼンの出前講座というのも必要だと考えております。職員については、十分こちらの方から説明をしたつもりでございますけれども、やはりこういった条例は非常にかたい文章になっておりますし、責務とか権利とか、そういったもので取りまとめております。このまちづくり基本条例については、全体のことを漠然としてとらえているというような条例でございますので、中身1つ1つについてはそれぞれのまた個々の条例、それから設置要綱、そういったもので規定されていくことになりますので、基本を定めたっていうことを職員は理解していると思いますけれども、いま一度そういったことについても職員に周知をしていきたいと思います。先ほども申しました出前講座についても検討します。


議長(釣部勝義)上出議員。


3番(上出純宏)


この条例の28条は協働のまちづくりですし、それから特にやはり30条、地域づくりの活動という中で、まちづくり協議会については、この最高規範の中で明確に位置づけてるということは、まちづくり協議会というものと行政とのこの距離感っていうものについて、やはり積極的に縮めるというようなことが出てくると思います。とすれば、そこにはやはり地域の中にぐいぐいと市民の方々から意見を引き出すようなリーダーの養成というような形のことを推進する必要があるのではないかなと思っております。

鯖江市は2010年4月に、ここは市民主役条例という名前ですけど、この推進に向けて、近々ですけども、まちづくりや人と人をつなげるコーディネートに意欲のある人材を育成するために、市民まちづくり応援団養成講座を今年の夏から開くというようなことを、この前の議会のときに理事者の方から答弁があったようなことを新聞で拝見しました。

やはり、このリーダーの養成というようなことは、今のこのまちづくり条例がこういうふうに施行された上では、ましてここにまちづくり協議会の最高規範の中で位置づけたという点においては、行政がまちづくりを推進するエンジン役を養成するというようなことは非常に重要ではないのかなと思っておりますが、市長、この辺どうでしょうか。


議長(釣部勝義)坂本市長。


市長(坂本憲男)


今、まちづくりのことで、協働のまちづくりって、今日までいろいろと議員さんの方からも御質問もいただいているわけでございますが、基本的には市民の皆さん方がまずは健康で、またこの坂井市に住むことを誇りに思って、またみんな笑顔で暮らすことが大事、そういった中で、このいいまちにしていこうというのを、みんなで、お互い助け合って、また協働でみんな力を合わせて、行政とか民間また議員さんとか、お互い力を合わせてやっていこうというのが条例であるように私も感じておりますし、それには、一番大事な人と人とのつながり、また心豊かなこの人間関係というもの、それがなかったら、いくら協働のまちづくりとか、そういう条例とかつくっても、本来の目的に達成できないんじゃないかなっていうふうに考えていますし。まずは、そういう人間関係というのは非常に難しいですけど、生活していく上でも最も大切なことであろうというふうに思っていますし。今回、ありがたいことに、2、3ケ月前にも、本当に坂井、結構若い人ですけど、坂井市のいろんな、まちづくり基本条例もできた後かなというふうに思いますが。今回、春江地区の方がほとんど中心になりますけど、坂井市応援隊っていうのが、私も設立総会の方に行ってきましたし。若い人ったって、そんな若くない。40前後ぐらいかなっていうふうに思いますし。そういう坂井市応援隊っていうのもつくって、ジャンパーみたいなのもつくって、坂井市を、子どもさんたち、またお年寄り、総合的にして、坂井市を陰ながらバックアップしていこうということで盛り上がってできてます。また、今後、その方々のいろんなお力もおかりして、そういう坂井市全体をどうしていくかっていうのは、そうした民間の立ち上がりという、そういう気持ちというのが非常に大事でありますし、ありがたいなというふうに思ってますし、その人たちがエンジンというか、大きなエンジン、大きな1つじゃなしに、小さなエンジンがたくさんできたらいいかなっていうふうに思いますし。なかなかこの条例っていうのは簡単に見ただけで、本当にこのまちづくり基本条例というのは、もちろん、市民の方にこういうものがあるというのは浸透しなくちゃいけないと思います。そのことによって少しでも市民の意識の高揚につながっていくことが大事でありますし。まず、やっぱりそういう市民の意識づけが大事かなっていうふうに思います。そういう中で、いくつかの団体っていいますか、各種団体とか、いろんな、エンジンっていう言葉はおかしいんですけど、そういう団体がいくつも集まったら大きな坂井市としてすばらしいものができてくるんじゃないかなっていうふうに私は思っていますので、今後ともこのまちづくり基本条例を基本としていきながら、市民の方々に訴えていきたいなというふうに考えております。


議長(釣部勝義)上出議員。


3番(上出純宏)


そうですね。やはりこの条例がこういうふうな形で4月1日から施行されたということで、もうそれで2年間かけてつくってきたということで安心じゃなくて、制定してからこそが本当のスタートですよね。これを最高規範として位置づけているということを深く意識しながら、政策やら、そういう市民の意見を酌み取るシステムの構築というか、あるいは、今、市長おっしゃったように、まちづくりを推進するエンジン役をサポートするとか、そういうような部分について力を注いでいかないとこの条例を制定した意味合いが出てこないと思いますので、言うと、最高規範は最高規範らしく、市民に深く理解されるような何か方策を今後とっていただけたらと思います。

これで終わります。

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