2012年12月13日木曜日

平成24年9月定例会一般質問―田中哲治議員

4番(田中哲治)


おはようございます。議席番号4番、新政会の田中哲治です。通告に従いまして、今回は、本市が管理する橋りょう安全対策、いわゆる道路の橋の安全対策について一般質問をさせていただきます。


我が国は、経済の成長とともに国民の豊かな生活を支えてきましたインフラ整備、しかしながら、御承知のとおり、成長の峠を越えた現在、地方自治体の公共施設を初め道路やそれにかかる橋など、老朽化という問題に直面し、社会の重荷にもなり始めていることも事実でございます。

中でも、トラブルが目立ち始めています橋りょう、いわば橋については、国主導の点検は行っているものの、安全対策については万全ではないようで、また安全に維持するには多くの課題があると言われております。

現在、我が国の橋りょう、橋は、橋長15メートル以上が約15万7,000ケ所で、築後、橋が建設されて50年以上の割合は、2011年で9%、10年後の2021年には約28%に、さらに20年後の2031年には約53%にまで増加すると言われております。

また、橋長2メートル以上では約67万8,000ケ所で、うち地方自治体が管理する道路橋は約65万1,000ケ所で、今後は道路橋りょうの老朽化が地方自治体にも深刻化されるのではないかと危惧するところでございます。

これまで、コンクリートのひび割れなど、損傷が深刻化して初めて大規模な修繕をしてまいりましたが、今後は定期的な点検で、軽微な損傷を発見した時点で修繕を実施するように改めたと聞いております。

また、従来の事後保全から予防保全に転換することで、橋のかけかえ、大規模更新をせずに道路橋の延命化を図ることにしたと言われております。

そこで、本市においては、安全で快適な暮らしを支えるまちづくりに取り組んでおりますが、本市の生活道路の総延長は約751キロメートルでございますが、それにかかわる市管理の道路橋は15メートル以上の橋が74ケ所、2メートル以上15メートル未満の橋が590ケ所で、計664ケ所であるというふうに聞いております。

先ほど申し上げましたが、地方自治体が抱える道路橋の老朽化は、本市でも深刻化されているんではないかと思われております。

市町村の道路橋の定期点検実態は、全国ベースで見ますと約83%が実施されていないとのことですが、その理由として挙げられるのが、約65%が技術力の不足や財政的な問題、また技術者の人材不足が大きな要因だと言われております。

本市では、当然ながら、安心・安全対策において、生活道路の橋の点検、調査などは実施していると思われますが、そこで次の4点についてお伺いをします。

1点は、本市が管理されている生活道路橋664橋の築後年数の比率と維持費を含めた管理の現況はどのようになっているのでしょうか。

2点目は、本市が管理されている生活道路橋において過去に定期点検されたのであれば、その実施結果と今後の定期点検の予定はあるのでしょうか。

3点目は、全国的に橋りょう管理の土木技術者が不足と言われております。本市においての実情をお伺いいたします。

4点目は、国の橋りょう長寿命化修繕計画が策定されておりますが、平成26年度以降は、市町村道においても、橋りょう点検などの調査に基づいて策定された修繕計画にのっとった橋りょう修繕工事のみが補助対象になるとされておりますが、本市の考えをお伺いいたします。

以上、4点について理事者の答弁を求めます。終わります。


議長(釣部勝義)坂本市長。


市長(坂本憲男)


田中議員の市の橋りょう安全対策についての御質問にお答えをいたします。

初めに、市管理橋りょうの築後年数の比率と管理の現況について、お答えをさせていただきます。

市が管理する市道の橋りょう数は664橋で、そのうち橋長2メートルから15メートルまでの橋りょうが590橋、15メートル以上の橋りょうが74橋となっております。築後の年数比率については、15メートル以上の橋りょうにおいて、築後30年未満が41%、築後30年以上が59%となっております。

また、管理の現況については、日常管理として、道路パトロールによる交通安全性と構造安全性の確保を目視により実施をし、橋りょうの安全管理上支障を及ぼすような原因の早期発見に努めているところでございます。

次に、市管理橋りょうのこれまでの定期点検実施結果と今後の修繕計画についてをお答えをいたします。

今ほど、田中議員がおっしゃられたとおり、国においては従来の事後保全から予防保全に転換を図り、橋りょうのかけかえや大規模更新をすることなく道路橋の延命化を図ることとしておりまして、橋りょう長寿命化修繕計画を策定することにより、国の補助対象事業として橋りょう補修が行えることとなっております。

このことから、市では、平成22年度に橋長15メートル以上の74橋について市職員による点検の調査を実施しまして、翌23年度には、そのうちの32橋について詳細点検を実施をさせていただきました。

これらの点検結果をもとに、平成25年度において橋りょう長寿命化修繕計画を策定する予定でございまして、平成26年度から対策優先順位の高い橋りょうより、順次、国土交通省が定める長寿命化修繕計画策定事業費補助制度に基づき修繕工事を実施していくこととなっております。

最後に、橋りょう管理の土木技術者が不足しているのではないかという御質問でございますが、確かに、橋りょうの詳細な点検や修繕方法については、高度な知識とまた経験が必要であるため、専門知識を有する機関やコンサルタントへの委託が必要となってまいります。しかし、日常点検の方法については、国から示された点検マニュアルや技術講習会等が充実してきておりますので、職員による点検対応を行っております。職員が日常点検などの業務経験を積むことで、さらなる技術力の向上を図ってまいりたいというふうに考えておりますので、御理解をいただきたいと思います。


議長(釣部勝義)田中議員。


4番(田中哲治)


4番、田中哲治。再質問をさせていただきます。

今ほど、市長から詳細な答弁がありましたけれども、1点目の生活道路橋の築後年数、今、30年未満が41%、30年以上が59%とお聞きしております。今、全国ベースで見た15メートル以上の橋、これにつきましては、高度経済成長期時代につくられた橋が約36%、約5万7,000橋、全国でつくられたというふうにお聞きをしておりますが、30年以上の59%ありますけども、先ほど申し上げましたとおり、10年後、20年後、市としての考えといたしましては、先ほど、いろんな修繕計画に基づいてやるんだということでございますけれども、修繕をしなければならない危機に立たされている市が管理する道路橋は今現在はどのようになっているか、ちょっとここを詳細にお聞きしたいと思います。


議長(釣部勝義)新谷建設部長。


建設部長(新谷優一)


今ほど市長が答弁申し上げましたとおり、22年と23年度に調査をしておりまして、その中で概略的な32橋についてまだ詳細な調査が必要であるというような報告にもなっております。こういうことをもとに、これから25年度に詳細な調査を行っていく予定です。今の段階で正確にどれだけが今すぐ危険度が増していってどうだっていうことは、今からちょっとその調査に入って、あとどういう年数でどれだけの規模になって、どういうふうな修繕計画をしていくかっていうことを、来年度中に策定したいと思いますので、よろしくお願いいたします。


議長(釣部勝義)田中哲治議員。


4番(田中哲治)


今の建設部長の答弁でわかりました。

では、2点目の本市が管理されている生活道路橋においての定期点検でございますけども、これも、先ほど市長からありましたけれども、皆さん御承知のとおり、直轄国道では5年に一度定期点検をしているとお聞きしております。その4割の橋が損傷しているというふうなデータも出ております。このようなことで、市の管理におきましても、先ほど26年度から調査しながらやるとお聞きしておりますけども、これら等々につきましてもしっかりと点検していただきたいと、そのように思っております。

それと、5年前の2007年には、皆さん御承知のとおり、アメリカのミネアポリス市でミシシッピー川に50台でしたか、車が落下して、死傷者も大変たくさん出たというふうな新聞記事がありました。また、4年前の千葉県では、市の管理する道路の橋が、鋼棒が1本折れてふらふらになったということで、市民からの通報でようやく修繕したと。これら等々につきましても、調査した結果、40本あるうち約半分が損傷、腐食していたというふうなこともありました。そして、3.11大震災においては、茨城県の鉾田市と、もう一つ、ある市を結ぶ橋においては、やはり60メートルいったところで落下したというなことで、非常に橋の事故が最近目立ってきております。これらにつきましては、やはり今まで非常に橋の点検につきましては、自治体も緩かったんでないかなというふうに感じているところでございます。

そこで、先般、研修に行った際に、岩田県の花巻市の橋守り事業制度という紹介がありました。これ、先般、岩手県の花巻市役所へ問い合わせをしたところ、皆さん御承知のとおり、橋守り制度っていうのは、旧国鉄時代に線路工夫が鉄橋の周りに住んでいて、日常、毎日、点検、またペンキ塗りをしたというふうなことで橋守り制度というふうに、花巻市は21年度から5年間、その制度を取り組んでいるとのことであります。

そして、これは従来は10名でありましたけども、本年度募集したところ12名で、2班編制でやるそうでございます。これら等々につきましては、市職員と、また橋守り制度に募集したそのようなボランティアの方が、年間に3回程度ではありますけれども、そのようなことで、先ほど市長からの答弁がありましたとおり、目視また点検、あるいはスケールを使ってのそのような調査をやっていると。市民からの声はどうでしょうかって道路環境課の方にお聞きしたところ、市民としても大変喜んでいるというふうな回答をいただきました。このようなことで、今後、やはり橋守り制度も、ほかの県でも、今、そのように進んでいるところでございます。坂井市においても、今ほど部長が申し上げましたとおり、25年、26年は積極的にやるんでしたら、そのような橋守り制度の事業にも取り組んではいかがなものかなと。

また、弁償費はいくらですかってお聞きしましたら、年間、交通費で約1万円と、本年度の予算額については、事務費を含めて25万円程度だというふうなことでございました。これからも、やはり橋についてはいつ何どき事故が起こるかもわかりません。そのようなことで、ぜひとも調査研究をしながらやっていただきたいと、そのように思っているところでございます。

もう1点、土木技術者の不足と、全国的にそのような全国的に不足していると言われております。先ほどの答弁でもありましたとおり、やはり全国的に、講習会、またいろんな職員が講習会をしているところでございますけれども、3年前に全国の1,787ケ所の地方自治体でアンケートを調査したところ、市においては、やはり1人から2人の技術者が最も多い41.5%と、中にはゼロ人が20%もあったということで、これら等々につきましても技術者の育成についてもう一度詳細に答弁をお聞きしたいと、そのように思っております。


議長(釣部勝義)建設部長。


建設部長(新谷優一)


今、技術者のことなんですが、特に橋になりますと、専門知識が要るということで、先ほど市長の方も答弁させていただきましたが、土木技術者というのは、うちの職員もたくさんおりますが、橋の専門的なことになるとなかなかその事業自体もそんなに多くありませんし、それに携わる機会も少ないということもあることから、なかなか専門的な者はいないのが現実的なところです。

そういうことから、そういう県の技術公社などで講習会なども行っておりますので、そういうところにも参加しながら技術力を高めながら進めていきたいとは考えております。

それから、先ほど、22年、23年に職員が点検して今の日がわり状況なんかも点検しておりますし、そういう点検マニュアル的なものもございますので、それらもよく研究しながら、また講習会にも参加しながら技術力を高めていきたいと思っておりますので、よろしくお願いします。


議長(釣部勝義)


部長、今の橋守りの件、答弁してない。


建設部長(新谷優一)


あと、今、ボランティアでの活用でやっているところがあるということを紹介されましたが、県内でも、今、そこらまではちょっと確認はしておりませんが、これらも実際やっていますところもちょっとお聞きしなくてはいけないかなとは思いますが、専門的な知識の方のボランティアというふうになるのかなと思います。となると、なかなか、そういう技術者の方がそういうふうに参加していただけるとまたありがたいですし、その辺も含めてちょっと調査研究させていただきたいと思いますので、よろしくお願いします。


議長(釣部勝義)田中議員。


4番(田中哲治)


土木技術者の件ですけれども、今、橋りょう事業は事業が非常に少ないというふうに部長がおっしゃいましたけれども、これから、25年、26年にこのような本格的に調査を開始すると、今から職員の講習会とか、育成とか、そのようなことをやはりやっていかなければ、急遽できるものではないですから、そんなことをお願いしたいなと、そのように思っているところでございます。

それで、橋守り制度につきましては、先ほど申し上げましたが、花巻市においては、今まで、OBの方、また素人の方は、やはり目視、また点検が必要なところは随時回って歩くというふうなことで、プロと申しましょうか、有資格者と素人が2人ないし3人編成で、6班または5班に分けてそのようなことで点検をしているというふうなことでございます。

4点目の橋りょう長寿命化修繕計画、これ、先ほどありましたけれども、これら等々につきましても、福井県においては、今、県の管理している、そのような修繕を計画して実施しているのが13%だと聞いております。また、市町村では9.3%と。それで、23年度と24年度、全国ベースで見た数字でありますけれども、整備計画数は27件増で3.4倍になっているそうでございます。また、交付申請の市町村数は517で3.6倍と、また交付申請額も国費75億円で、約5倍に達している状況というなことで、これから橋については、やはり各自治体も真剣に取り組んでいく方針だなというふうに感じているところでございます。

最後になりますけれども、橋について、いろいろと、664橋を市が管理している橋がございます。先ほど、市長からもありましたが、今後、橋について市長のそのような考え方、簡単で結構ですから、よろしくお願いをいたします。


○ 議長(釣部勝義)坂本市長。


市長(坂本憲男)


先ほどから、田中議員、橋の問題について御質問も、また御意見等もいただいています。ただ、本市においては、冒頭でお話もさせていただいたように、664、小さい橋も入れて。実際74ケ所ぐらいが30メートル以上でしたかね。15メートル以上は74橋あるんですよね。それ、2年前に国の大きな施策によって、本市においてもいろんな点検もして、一応664の点検もしていく中で、74橋というのはどうしても整備しなきゃいかんという結果だったというふうに思っております。今ほど言いましたように、そういう専門的な知識を持った技術者といいますか、それについては、私は県の方に、橋の専門の技術者、また知識とか経験のある技術者もいるというふうに思いますし、毎日毎日そういう橋にかかわっている職員っていうのは、新たにちょっと厳しいかなというふうに、今、職員の削減をしてる中で。今回、来年度には、坂井市においては、建築も含めて土木関係も多いですから、だから高卒の者を入れて土木技術者を3名採用することになってますんで、その人らは若い人でもありますので、今後、そういう橋の問題等もいろんな講習等もしていきながら、そういう技術を高めていくっていうんか、そういった中で今後期待もしておりますし。特に、自然災害っていうのは全国各地で起きているようにも思いますので、今後、橋の問題っていうのは大変な重要な施設でありますので、今後ともそういう点検もしていきながら、また国のこの事業にのっとり、できるだけ早く危険のあるところは早急にしていくべきだろうというふうに考えています。


議長(釣部勝義)田中議員。


4番(田中哲治)


ありがとうございます。

今後、今ほど市長が申し上げましたとおり、自然災害で何が起きるかわかりません。今後は、やはりいろんな修繕、警戒をしながら、ぜひ市民の安全対策に万全を期して行っていただきたいと、そういうに思っております。

これで、私の一般質問を終わります。

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