2011年3月15日火曜日

平成22年12月議会の一般質問(伊藤聖一議員)

9番(伊藤聖一)議席番号9番、新政会、伊藤です。


よろしくお願いいたします。


今回、私は財団法人丸岡町文化振興事業団の今後の支援について伺いますが、丸岡文振に関しましては、9月定例会の財団の経営状況報告のときにも触れましたが、23年度予算編成の最終段階の今、改めて一般質問をさせていただきます。

坂井市の出資している法人は、坂井市からの指定管理者の指定や事業委託で事業収益を上げていますが、丸岡町文化振興事業団については、独自事業の展開と民間からの寄附金が収入の大半を占めております。

坂井市は、行財政100の改革が進められており、各種団体への補助金も見直しが検討されているところではありますが、合併後の議会への経営状況報告を見ていきますと、丸岡文振については、不足する収入分を事業団の財政調整基金からの繰入金で賄い、収支の均衡を図っているようであります。

しかし、今年の基金取り崩しにより、今年9月に報告されました21年度決算と22年予算から推測をいたしますと、今年末、22年度末には基金もなくなり、23年度は22年度並みの予算が組めなくなるのではないかと思われます。

そこで、以下の4点の質問をさせていただきます。

まず第1に、出資法人に対する補助金は職員の人件費のみなのでしょうか。

2番目に、丸岡町文化振興事業団のこれまでの事業をどのように評価されているのでしょうか。

3点目、丸岡町文化振興事業団の今後のあり方についての方針はあるのでしょうか。

最後に、来年度以降、丸岡町文化振興事業団へは、これまで以上の財政支援が必要と思われますが、どのように検討されているのでしょうか。

市民や議員には、財団の統合や縮小など、さまざまな意見があるものと思われます。明確な答弁を求めたいと思います。


○ 議長(山田 栄)坂本市長。


○ 市長(坂本憲男)

伊藤議員の丸岡町文化振興事業団に関する御質問にお答えをさせていただきます。

まず、出資法人に対する補助金についてお答えをいたします。

丸岡町文化振興事業団の平成22年度の事業予算額については、約5,500万円であります。主な事業収入の内訳は、住友グループからの寄附金3,150万円、単行本の出版収入384万円、著作権収入が約100万円、市補助金750万円などがあります。

事業の内訳としましては、財団法人の運営管理費と新一筆啓上賞、梨一賞、まるおか子供歌舞伎の事業でありまして、事業支出で不足する分については、基金から900万円取り崩しております。

そうした中で、市補助金750万円の内訳ですが、10回目の節目であるまるおか子供歌舞伎事業に600万円、財団法人の運営管理費に150万円でありまして、派遣職員の人件費については、市が2名分を直接支払っております。

次に、丸岡町文化振興事業団の事業評価と、今後のあり方については、関連がございますので、一括してお答えをさせていただきます。

事業団では、文学賞によるまちづくり事業を核に各事業を展開をいたしております。「新一筆啓上賞」は、今回で8回目を迎え、毎年多くの作品の応募がございます。今年は、御承知のように「涙」をテーマに募集をいたしましたわけでございますが、4万通以上の応募がありました。

なお、「一筆啓上賞」から数えて応募総数が既に100万通を超えるなど、多くの作品を全国からいただいております。

また、平成19年度からは、新たな事業展開として、愛媛県西予市と連携して「日本一短い手紙とかまぼこ板の絵の物語」コラボ展を全国の美術館や博物館等で開催をいたしております。開催会場では多くの方から、大きな感動に出会えたとの評価も受けております。今年度は、既に福井大学や仙台市において開催しておりますが、今後、沖縄市や東京でも開催する予定をいたしておるところでございます。

まるおか子供歌舞伎は、10周年記念公演として、去る11月の20日、21日に開催をいたしました。2日間で3回上演をいたしまして、延べ2,000人の方がお楽しみをいただいたところでございます。そのほかにも、「人が人を思う心」を、3年、5年、10年、20年後に伝える「おもいでカプセル便」は、時を超えることで思いがよりふくらみ、深い感動を届けることができる心の手紙のカプセル便として事業展開しておりまして、毎年多くの申し込みをいただいているところでございます。

このような事業団では、さまざまな事業展開を行っております。その中でも、手紙文化をリードする文字ブランドをつくり上げ、積極的に全国に向けて発信し、坂井市の知名度を高めていることは高く評価をいたしております。

しかし、伊藤議員の御指摘ありました「日本一短い母への手紙」の単行本が大ベストセラーとなり、印税等により創設した基金の残高も、22年度末には底を尽いてきましたので、今後コスト削減、あるいは収益向上など事業内容の精査を図っていきながら、引き続き事業展開ができるように財政支援をしてまいりたいというふうに考えておりますので、御理解をいただきたいと思います。


○ 議長(山田 栄)伊藤議員。


○ 9番(伊藤聖一)

ただいま、市長の方から答弁をいただきました。それで、まず丸岡文振の評価についてということで、全体的なところでまとめると、坂井市の知名度アップに大きく貢献をしているということが最後の方にありましたが、これがすべて網羅されているのかなというふうに思うわけなんですが。先ほどの一般質問では、坂井市にとっては非常につらいイメージの話もありましたけども、逆にイメージアップということで、坂井市に大きな貢献がある事業をされている団体であるいうようなことだろうなと思うのですが、これは、坂井市民一般の方からの立場から考えてみた場合に、坂井市にいろんな事業もあるし、いろんな施設等もあると思うんですが、公民館だったり、図書館であったり、例えば体育館であったりとか、そういう市民の方が利用する一般施設たくさんある中で、なかなかそれを利用できない人もたくさんいるんじゃないかなと思うんですね。いろんな諸事情で利用ができない方も当然いらっしゃる。

そういう観点からして、今、丸岡文振がやっている事業が、家にいても、逆に言うと、坂井市のふるさとを遠く離れた遠いところに住んでいる旧坂井市民といいますか、ふるさとを持っている人たちにとっても、このふるさととつながっていく事業であると、坂井市の市民、並びにその縁のある方々と坂井市をつないでいるという、そういう意味からも、もっともっと温かい評価ができるのかなというふうに思うわけなんですけれども。そして、今、もっとはやってほしいと思いますけども、ふるさと納税とか、いろんな寄附、坂井市の場合は寄附条例も実施されておりますが、遠く離れたふるさとを思う人から、そういう寄附がどんどんもらえるような、イメージづくりを育ててもらえるような事業をやってきてもらってるのかなと、ちょっと思ったりもするわけなんですが。

そんな中で、最後の方がちょっと。市長、もうちょっとはっきりとお答えいただけるのかなと思ったんですが。私個人的には、今言ったような評価のことも含めて、丸岡文振をはっきりと財政的な、今、事業費として子供歌舞伎に600万円、今年の場合、運営補助金に150万円しか補助金を出していないと。恐らくこのままでは到底来年は立ち行かなくなると思うんですが、今、丸岡文振プロパーの職員の方、何人かいらっしゃると思うんですが、今の自分たちのお金の状況を見ていると、来年どうなるか非常に不安な部分もたくさんあると思うんです。そういう意味で、やはりそういう、ほかの、例えば、いろんな団体には人件費相当分も補助金を出してると思われますので、丸岡文振についても、そういう意味から、積極的にもうちょっと財政的な支援をして、立派な事業を続けてほしいというようなことを私は思うんですけども、市長、もう一度、その辺はいかがでしょう。


○ 議長(山田 栄)坂本市長。


○ 市長(坂本憲男)

御承知のように、まずこの「日本一短い手紙」一筆啓上というのは、時々、東京行ってタクシーの運転手さんなんかにも聞くと、やっぱり知ってるんですよね。そういった中で、これは平成5年からスタートしたというふうにたしか記憶にありますが、ここまでいろんな人の御支援とか協力も得ながら、すごく、これ今、全国的にこの知名度も出てきましたし。そうした中で、今ももちろん頑張ってますし、今も冒頭で話させてもらったように、特に今、先ほどから話出てますように経済的にも大変であるというふうに思いますし。特に丸岡地区には、細巾等で百何十軒もあったものが、今何十軒しかないということで、そういった中で、少しでも丸岡のこの越前織りというものを全国に発信していきたいということで、越前織りのこのかまぼこ板の絵の物語において越前織りで全国に発信していきたいというふうに、また経済なんかもあります。そうした中で、今、財政問題についても、確かに底を尽くような状況になっている中で、少しでも、畑野議員もお話をしたように、そういうものを、今、額に入れたものを販売していこうということで。宮城県のは、私も行かしてもらいましたが、今年、今月には沖縄でもやります。この後、東京でもやります。そこで販売して、これから1つは、今のふるさと納税じゃないですけど、これからやっぱり観光地にそれをずっと、また作品っていうのは、まだ、今、21点しかできてませんが、これからもっと無限にできると思います。これを続けていけば。そういった中で、これから越前織りとか、一筆啓上を全国的に、世界的にもありますけど、そういった物品の販売とか、いろんなものを創意工夫しながら作成していきながら、財源の確保というものがやっぱり必要であろうということでしてますし。もうちょっと余裕できたら、全国にこのかまぼこ板の絵というのを、観光地等に販売をしていきながら、少し財源を確保しようということで、今、していますし。今、その丸岡の子供歌舞伎についても、確かに大きな費用もかかってますが、せっかくこうやって一生懸命、10回目ということで、子ども、大人の指導も含めて、子どもたちも一生懸命頑張っていく中で、この10年間続いてきたし、これはやっぱり伝統的なこともありますので、2つとも、これからやっぱりそういう坂井市の1つの地域の活性化っていいますか、いろんな面でこの知名度を上げていくことも教育面においても必要であるというふうに思ってますので、そういった中で、最低限の支援、最低限って言ったらちょっとおかしいですけど、できる限りって言った方がいいですけど、それはまた議会の皆さん方のいろんな御意見等もいただきながら支援していくことが望ましいというふうに考えております。


○ 議長(山田 栄)伊藤議員。


○ 9番(伊藤聖一)

今、市長の方からお答えいただきまして、やっぱりさすが市長といいますか、財政のことをかなり心配されている中でのお答えかなと思うんですが。その中で、地場産業や観光と連携を図り、要は丸岡文振の支援のための財源確保や地元とのいろんな相乗効果を生みながら、より活用の高いものにしていこうというようなお話で、大変いいことを聞かせていただいたと思います。

その中で、市長の言葉の中で教育という言葉が出てまいりました。確かに、この文学といいますか、要は教育の分野に入るのかなと思ってくるんですが。そこで、教育長に少しお尋ねをしたいと思うんですが。学校教育の中で、小学校もそうでしょうが、特に中学生、短歌であったりとか、俳句であったりとか、詩であったりとか、そういうものは実際学校の先生の教材として使われるものだろうと思うんですね。そういう中で、坂井市、地元にこれだけすばらしい教材となり得るものを、自前で毎年毎年新しいものをどんどんたくさんたくさん持ってるわけですね。そういうものを、学校教育の現場の中の授業の中で実際生かしてこれないのかなと。例えば、副読本じゃないですけども、教材を、そういうものをつくって、中学校のそういう授業のときには、こういうことをやってみると、実際。それで、応募する子どもがいれば、よりいいなと思いますし、それで、副読本なり、教材を丸岡文振につくってもらう、委託をすると、そこで丸岡文振にもまた事業の支援にもなるというようなこともあるのかなと、まずひとつ思うんです。それと、一筆啓上のときに、あれだけ全国的に有名な審査員の方に、わざわざ福井まで何回か来ていただくんですね。ただ審査だけして、三国でカニを食べて帰っていただくだけでは、ちょっと寂しいかなと。せめて、その中のお一人でも、地元の中学生でも学校へ行って、少し文学的な、文化的な話をしていただける機会があれば、またその丸岡文振の価値っていうものはまだまだ上がると思うんですが、教育長、この2点、いかがでしょう。


○ 議長(山田 栄)川元教育長。


○ 教育長(川元利夫)

この「日本一短い手紙」ですが、平成5年からスタートしまして、いわゆる手紙文化という面で非常に脚光を浴びました。「母」から始まりまして、今回で17回目。つまり、今年は「涙」ということになっているわけであります。早くも100万通が突破しまして、今年の場合は「涙」で、4万が出てるということであります。

かつて、5年前、丸岡町時代は丸岡の子どもたちが応募をしてくれていましたが、合併をいたしまして、同じ坂井市内の事業ということもあって、それぞれの小学校、中学校から多くの作品が寄せられています。過去の16回のこの題目っていうんですか、例えば「母」であったり「父」であったり、あるいは最近でいうならば「笑い」とかそういうことについてのテーマでもって、例えばそれぞれの学校でいろいろ特別活動の時間で取り上げたり、総合の時間で取り上げたりして、いわゆる子どもたちに啓蒙しながら、多くの作品を応募する、そういう流れになってきていますし。また、その1つ、梨一賞っていう短歌の賞があるわけですが、これは丸岡時代からもやってるんですが、これは丸岡町の子どもたちが中心になって短歌をつくるというようなこと、あるいは俳句をつくって、そして応募して、俳句文化っていうものについても啓蒙していくということでは、非常に価値の高いものになっていくんではないかなと考えています。だから、各学校でもしっかりと取り上げていただいて、国語の授業でやったり、文字文化に多く触れさせようと努力をしているところであります。


○ 議長(山田 栄)伊藤議員。


○ 9番(伊藤聖一)

今、教育長に突然ちょっとお話ししましたから、なかなか答弁しづらい部分たくさんあったかなと、申しわけないと思うんですが、一度検討もしていただけたらなというふうに思います。

最後に、この財団の副理事長である副市長に、半分要望も兼ねてちょっとお話ししたいんですが。独立した団体ですから、我々議会がその中身について、運用についてとやかく言うこともできませんし、それはもう財団の理事の方がみんな一生懸命やって運用されているんでしょうから、その点はお任せをしなければどうしようもないんですが。ただ、今後坂井市の財政的な支援がふえてくるということになると、今市長も心配されてたように、いろんな社会情勢の中で、ある意味、ほかの団体なんか補助金が切られていくのかなと思うところもあるんですけども、その中であえてしっかりと支援を、支えていきましょうということになりますから、やはりいろんなところでもう少し、例えばこれ、住友さんから、先ほどの3,200万円ほどの寄附金をいただくと。それは3,200万円もらえるから、これはこっちの方でなくなるまで使えばいいような、そういうような使い方なんかもちょっと心配されたりもするんですけど。そういうものを含めて、もうちょっとしっかりと、市は財政支援をこれからも続けていくんだから、中身の方もちょっとしっかりしてねというのが、恐らく大方の方の意見だと思いますので、その辺を今後一層しっかりと、副理事長として、まとめていっていただきたいなというのが1つと。

それから、住友グループという、日本の中でもものすごいビックネームのグループの支援を受けていると。これは、こっちからお願いして、なかなか得られるようなものでもないですし、大変大きなチャンスがそこにはあると思うんですね、いろんな意味で。それは、住友の先祖の方が丸岡に御縁があるというところがきっかけだというふうには、ちょっと伺ってはいるんですけども。そういう大きな縁があるんであれば、岩崎弥太郎の三菱と高知じゃありませんけど、もっともっとその辺を活用しながら、何か坂井市にもっと利益っていうか、メリットを持ってこれないかなと。例えば、具体的に言うと、住友グループの企業誘致ができるとか。この前、東北のトヨタグループのある下請会社なんですけども、仕事がぐんと落ちていく中で、そのトヨタっていうグループの大きさを利用して、東北のその町工場が地元の産品、特産品を集めてトヨタに売りに行ったと。非常にたくさん売れるというようなことをやっているような会社もあったりして。そういう、住友グループの中の人との人的のいろんなつながりを持って、先ほど市長がおっしゃったような地元産品のPRであったりとか、そういう、もっともっと大きく膨らませることが可能だろうと思うんですね。そういうところを、副理事長として来年以降頑張っていただきたいなと思います。それを要望として、質問を終わります。


○ 議長(山田 栄)北川副市長。


○ 副市長(北川貞二)

いろんな意見ありがとうございます。

私も、丸岡文振の副理事長ということで、自治区長のときからやらせていただいているわけでございますけども。ただ、今回、今言う財政の問題では、今まで第1回、第2回の一筆啓上賞のその印税をもって基金があったわけです。それを、今言う需用費に充てて、22年度底を尽くという中で、底を尽く尽かんは別として、この使い方については、今までも無駄がないか、またそれが適正でないかというな指導も十分していますし、決済の中でもこういう意見も十分言ってますし、また理事会の中でもいろいろ市の考え方等も言っておりますんで、今後、ますますこういうことは、当然、市からの財政支援は非常に必要なことだと思いますけども、そういう経費節減、また収益事業のアップについて、十分考えていきたいと思っているところでございます。

また、この住友グループからの寄附金でございますけれども、平成5年から18回迎えるわけでございますけども、当初は1,000万円、その次が2,000万円と、「新一筆啓上賞」になってから、3,150万円をいただいているわけでございます。

この使い道については、住友グループとしては、今言う新一筆啓上賞、またその梨一賞か、その事業の中で使ってくださいというな条件もあるわけでございますし。この住友グループの寄附は、今、一筆啓上賞の中でなくてはならない寄附金でございまして、本当にこちらとしても非常に感謝しているところでございます。

もう1点の、これは住友の家祖が丸岡町出身ということで、こういう経緯になっているわけでございますけども、今までも、いろいろな中で住友に対して、市長も同じでございますけども、企業誘致なりまたいろいろな施設を整備してもらえんかというような話を何回か持ち上げているところでございますけれども、住友としても非常に厳しいということで、ハード面は別として、ソフト面で、こういう18回も支援している団体っていうことはないわけでございます、全国的に。そういうこともございますので、これも1つの契機といたしまして、今後いろいろな中で、市としていろんな要望、また誘致を図っていきたいと思いますので、ひとつよろしくお願いいたします。

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